
シン・キクラゲ144㎥栽培室の環境制御
「シン・キクラゲ」:白キクラゲの美容成分(高保湿多糖・フコース・ビタミンD₂など)を、共生菌いらずの白いキクラゲに“後付け”する技術を確立。 改良株を純粋培養し成分強化した独自菌床で栽培、収穫シン・キクラゲの遺伝子を持つ菌を培養、栽培する事で「シン・キクラゲ」=“育てやすさ”と“高機能”の両立を実現しました。
福知山栽培工場:各成長期に合ったベスト環境制御プロセスの考察

Ver250903K.F Confidential

シン・キクラゲ 成長ステージ別最適環境
成長ステージ | CO₂濃度 (ppm) | 温度 (℃) | 湿度 (%RH) | 風 (換気) | 照度 (lx・時間) |
菌糸伸長期 | 1,000~2,000 | 24~28 | 65~75 | 無風~弱風(2h/20m³/h) | 0(遮光) |
菌糸熟成期 | 800~1,500 | 25~27 | 70~75 | 微風(4h/30m³/h) | 0(遮光) |
原基形成期 | 500~800 | 23~26 | 85~90 | 中風(6h/50m³/h) | 200~500 lx(6~10h) |
子実体成長期 | 600~1,200 | 22~25 | 85~90 | 中~強風(連続/60m³/h 以上) | 300~700 lx(8~12h) |
収穫・維持期 | 800~1,200 | 22~25 | 80~85 | 中風(断続的) | 200~500 lx(6~10h) |
#2:144㎥栽培室(本件)の環境調整の考察
直径10cm長さ20cmの白いキクラゲ菌床を144立方メートルの栽培室で4,000本栽培
W:9m × D:6.4m × H:2.5m =144㎥
各成長期に合った環境制御プロセスの考察
キノコ菌は菌床で栽培しますが、大量のCO2を排出します。
この理由を下記に説明します。
菌床栽培において キノコ菌(担子菌類の菌糸)が成長する際にCO₂を発生させるメカニズム を、化学的な反応の流れとして整理。
1. 基本原理:呼吸による有機物の酸化分解
キノコ菌は植物のように光合成はできず、徹底した従属栄養生物です。
菌床内の炭水化物やリグニン・セルロースなどを分解し、呼吸(有酸素呼吸・嫌気呼吸) によりエネルギーを得ます。
一般的な有酸素呼吸の反応式
C_6H_{12}O_6 + 6 O_2 → 6 CO_2 + 6 H_2O + エネルギー(ATP)
- 菌床中のデンプン、セルロース、ヘミセルロースなど → グルコースなど単糖 に分解
- それを解糖系 → クエン酸回路(TCA回路) → 電子伝達系で酸化
- 最終的に CO₂と水 が生成される
2. 各過程でのCO₂発生ポイント
(1) 酵素分解段階(菌糸が基質に作用)
- セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、リグニナーゼ、アミラーゼなどの分解酵素を分泌
- 複雑な高分子(セルロース・リグニン・デンプン)を単糖(グルコース等)に分解
- この段階ではまだCO₂はほぼ発生しないが、分解基質が呼吸に使える形に変換される
(2) 解糖系(Embden-Meyerhof-Parnas経路)
- グルコース (C₆H₁₂O₆) → ピルビン酸 (C₃H₄O₃) に分解
- ATP 2分子とNADHが生成
- この段階ではCO₂はほぼ出ない
(3) ピルビン酸脱炭酸反応
- ピルビン酸 → アセチルCoAに変換
- このとき CO₂ 1分子/ピルビン酸1分子 発生
- ここがCO₂発生の最初の大きなステップ
(4) クエン酸回路(TCA回路)
- アセチルCoAがオキサロ酢酸と結合し、クエン酸に → 一連の酸化還元反応でATPとNADH生成
- 各サイクルで 2分子のCO₂ が発生
- したがって、グルコース1分子からTCA回路を経て 合計6分子のCO₂ が放出される
(5) 電子伝達系(酸化的リン酸化)
- NADHやFADH₂から電子を受け取り、最終的に酸素を還元 → 水(H₂O)を生成
- この段階ではCO₂は出ないが、大量のATPを得る
3. 嫌気的代謝のケース(酸素不足時)
菌床が過密・換気不十分だと、局所的に嫌気状態になり:
- ピルビン酸 → エタノール + CO₂ (アルコール発酵様)
- ピルビン酸 → 乳酸 (乳酸発酵)
などが起こることがある。
👉 そのため、換気不足の栽培室ではエタノール臭が発生する場合がある。
4. 成長過程とCO₂発生の関係
- 菌糸伸長期:基質分解と呼吸が活発 → CO₂放出が最大
- 菌糸熟成期:代謝安定、発生量はやや低下
- 原基形成期:CO₂濃度の低下がトリガーになる(CO₂が多いと原基形成が抑制)
- 子実体成長期:再び呼吸活発化 → CO₂発生量が増加する
5. まとめ
菌床栽培でのCO₂発生は、
- 菌糸が基質中の糖を分解 → 解糖系 → ピルビン酸脱炭酸 → TCA回路での酸化
という一連の呼吸反応で生じます。
特に ピルビン酸→アセチルCoA と TCA回路 がCO₂発生の主要ステップです。
A:栽培で排出されるCO2濃度
各成長期と収穫を4クールでの排出CO2濃度、栽培最適値表
クール | 成長期 | 推定CO2発生量 (L/h) | 無換気での濃度上昇 (ppm/h) | 推奨室内CO2 (ppm) | 推奨換気量 (m³/h) |
1〜4 | 菌糸伸長期 | 522.0 | 3622.0 | 1500 | 483.0 |
1〜4 | 菌糸熟成期 | 313.0 | 2173.0 | 1100 | 460.0 |
1〜4 | 原基形成期 | 626.0 | 4346.0 | 650 | 2721.0 |
1〜4 | 子実体成長期 | 1043.0 | 7243.0 | 900 | 2173.0 |
人体に影響を及ぼすCO2濃度
人体に影響を及ぼす二酸化炭素(CO2)濃度は次の通りです:
- 400~1,000 ppm:通常の室内空間のCO2濃度。通常は健康上の問題は生じない。
- 1,000~2,000 ppm:不快感や集中力の低下が生じることがある。
- 2,000~5,000 ppm:頭痛、眠気、集中力の低下、不快感、増加した心拍数や軽度の吐き気を引き起こす可能性がある。
- 5,000 ppm以上:これは労働安全衛生基準での作業環境としての許容限界濃度です。これを超えると重度の健康障害のリスクが高まる。
- 40,000 ppm以上:生命に危険を及ぼす可能性があり、数分以内に意識を失うことがある。
我々が日々生活する外気のCO2濃度は概ね420ppmです。
排出されるCO2濃度:前提条件がないと厳密計算はできないため、以下の保守的な仮定で「排出CO₂量(推定)」「無換気での濃度上昇(ppm/h)」「期ごとの最適目標値(ppm)」「その目標を保つための必要換気量(m³/h)」を、4クール(4回の収穫)×各成長期で整理。
読み方
- 推定CO₂発生量 (L/h):4,000本全体が1時間に発生させるCO₂量の推定
- 無換気での濃度上昇 (ppm/h):144 m³の室内にCO₂がどれだけ増えるか(参考)。この値が大きいほど、換気が不可欠
- 推奨室内CO₂ (ppm):各期の目安(中点)。レンジは下の「推奨レンジ」を参照
- 推奨換気量 (m³/h):外気420 ppm前提で、目標ppmを維持するために必要な定常時の排気量(=給気量)
推奨レンジ(白いキクラゲ)
- 菌糸伸長期: 1,000–2.000 ppm(目安中点 1500 ppm)
- 菌糸熟成期: 800–1.500 ppm(目安中点 1100 ppm)
- 原基形成期: 500–800 ppm(目安中点 650 ppm)
- 子実体成長期: 600–1.200 ppm(目安中点 900 ppm)
白いキクラゲ環境表(CO₂/温度/湿度/風/照度)(原基期は低CO₂がトリガー)
成長ステージ | CO₂濃度 (ppm) | 温度 (℃) | 湿度 (%RH) | 風 (換気) | 照度 (lx・時間) |
接種~菌糸伸長期 | 1,000~2,000 | 24~28 | 65~75 | 無風~弱風(2h/20m³/h) | 0(遮光) |
菌糸熟成期 | 800~1,500 | 25~27 | 70~75 | 微風(4h/30m³/h) | 0(遮光) |
原基形成期 | 500~800 | 23~26 | 85~90 | 中風(6h/50m³/h) | 200~500 lx (6~10h) |
子実体成長期 | 600~1,200 | 22~25 | 85~90 | 中~強風(連続/60m³/h 以上) | 300~700 lx (8~12h) |
収穫・維持期 | 800~1,200 | 22~25 | 80~85 | 中風(断続的) | 200~500 lx (6~10h) |
栽培照明については別途検討とします。
計算に用いた主な仮定(透明性のために明記)
- 菌床形状:直径10 cm × 長さ20 cmの円柱 → 体積 ≈ 1.571 L/本
- 湿潤かさ密度:0.83 kg/L(おが粉主体ブロックの典型域)→ 約1.30 kg/本
- 総菌床質量:1.30 kg/本 × 4,000本 = 約5,200 kg
- 室内容積:144 m³(= 144,000 L)
- 外気CO₂:420 ppm(郊外の目安)
- CO₂発生速度(白キクラゲ、保守的中庸値)
- 菌糸伸長期:0.10 L/kg・h
- 菌糸熟成期:0.06 L/kg・h
- 原基形成期:0.12 L/kg・h
- 子実体成長期:0.20 L/kg・h
(食用担子菌の文献域を踏まえた保守的レンジの中点相当。実機では菌床配合や温度で上下します)
- 換気量の算出:定常質量収支より
現場での使い所(ポイント)
- 表の**「無換気での濃度上昇 (ppm/h)」が大きい* → 連続換気+局所排気の必要性が高いサイン
- 原基形成期はレンジが低い(500–800 ppm)。この期だけ換気量を増やす or CO₂希釈運転に切り替えるのがコツ
- 子実体成長期は再び代謝が上がるため、CO₂管理と加湿・送風のバランス調整が歩留まりに直結
4クールの意味:1菌床で4回の収穫が出来る想定
キノコの「クール(flush, cropping cycle)」とは、1つの菌床から子実体を発生させ、収穫し、次の発生を待つサイクルを指します。
🔹 1クールの流れ
- 原基形成 → 子実体発生 → 成長 → 収穫(数日〜2週間程度、種類や条件によって変動)
- 収穫後、菌床にまだ栄養分が残っていれば、水分や温度・CO₂条件を再調整することで 再び原基が形成され、次の子実体群が出てくる。
🔹 白いキクラゲの場合
- 菌床1本から 複数回の発生(flush) が可能
- 一般的には 3〜4回程度(施設条件や菌床の充実度による)
- 回数を重ねるごとに収量は減少(1クール目 > 2クール目 > 3クール目 > 4クール目…)
- 最終的に栄養が枯渇し、雑菌リスクも高まるため廃床する
🔹 まとめ
- 「4クール栽培」とは、1菌床から4回の収穫を得る設計を意味します
- したがって「4000本×4クール」なら、最大で「延べ16,000回分の収穫チャンス」があるイメージです
- ただし実際には後半のクールでは収量が落ちるため、総収穫量は1クール目の4倍にはならない点に注意が必要です
使い方のヒント
- 例えば「1菌床あたり累計400g」が実績なら、各クールの目安は
- 1st ≈ 180g
- 2nd ≈ 120g
- 3rd ≈ 72g
- 4th ≈ 28g
- 実際は品種・培地配合・温湿度やCO₂管理、洗い出し(リハイドレーション)のうまさで変動します。
- もし実測データ(各クールの重量ログ)があれば、その分布にフィットさせて自社プロファイルを算出し、収量予測やROI表に直結できます。必要ならテンプレを用意します。
収量割合 | % |
1st Flush | 45 |
2nd Flush | 30 |
3rd Flush | 18 |
4th Flush | 7 |
B:各期の最適CO2濃度について
各成長、収穫期に最適なCO2濃度を維持するために Pana. FY-40MSUSによる吸気1箇所 、Pana. FY-190CG1 シロッコファン4台で排気する場合の適切な運転制御について
「各期の最適CO₂」を維持するための、実務向けの運転制御案をまとめました(関西=60Hz想定。50Hz域の数値も括弧で併記)。
前提(機器の公称性能)
- 吸気:Panasonic 有圧換気扇 FY‑40MSU3
排気時 3020 m³/h・給気時 3100 m³/h(60Hz。50Hzは 2590/2650 m³/h)、消費74.5 W(60Hz)。静圧–風量曲線あり。
- 排気:Panasonic ミニシロッコ FY‑19CG1 ×4台
風量 931 m³/h(60Hz, 1台)〔50Hz: 947〕、消費143 W(60Hz)、強・弱速調可能、適用ダクト径φ200、適用スイッチ FY‑SW81W。 (Panasonic Corporation, Yahoo!ショッピング)
- 風量コントロール(推奨):単相100V 有圧換気扇用 FY‑SCS05(70–100%可)をFY‑40MSU3に適用。 (Panasonic Corporation)
60Hz域の合計能力目安
吸気:FY‑40MSU3 = 3100 m³/h(SCS05で2170–3100調整)
排気:FY‑19CG1 = 931×4=3724 m³/h(段数: 1台=931 / 2台=1862 / 3台=2793 / 4台=3724)
必要換気量(CO₂目標を守るための目安)
4000本(直径10cm×長さ20cm/本、総質量≈5.2t想定)時の発生量から逆算した必要換気量(144 m³室)。
- 菌糸伸長期(目標1500 ppm):≈ 480 m³/h(≈3.35 ACH)
- 菌糸熟成期(目標1100 ppm):≈ 460 m³/h(≈3.20 ACH)
- 原基形成期(目標650 ppm):≈ 2720 m³/h(≈18.9 ACH)
- 子実体成長期(目標900 ppm):≈ 2170 m³/h(≈15.1 ACH)
(※モデル計算。現場の発熱/温度で上下します)
運転制御の考え方(CO₂+差圧の二重制御)
- CO₂制御:各期の**目標値±ヒステリシス(±50 ppm)**で段制御+時間比例(デューティ)制御。
- 差圧制御:室内を−2〜−5 Paの微負圧に保つ(外気汚染・胞子逆流の抑制)。
→ 排気合計 ≧ 吸気合計(5〜10%多め)を基本に、差圧センサーで微調整。
期別の具体的ステージ例(60Hz想定)
(S=FY‑40MSU3、E=FY‑19CG1。Eは“強/弱”切替+ON/OFF。SはFY‑SCS05で70–100%)
1) 菌糸伸長期(1500 ppm) 必要≈480 m³/h
- 目安:S=OFF、E=1台(弱 or デューティ30–50%)
- CO₂>1550ppmが5分継続 → E1 強 → E2 弱まで段上げ
- CO₂<1450ppmが5分継続 → 段下げ(Eデューティ↓)
※流量が過大になりやすいので**時間比例制御(例:周期5分、最小ON60秒)**で微量換気にする。
2) 菌糸熟成期(1100 ppm) 必要≈460 m³/h
- 目安:S=OFF、E=1台(弱/デューティ40–60%)
- トリガは伸長期と同様(±50 ppm、5分判定)
3) 原基形成期(650 ppm) 必要≈2720 m³/h(高換気)
- 目安:S=85–100%(≈2630–3100)、E=3台 強(2793)
→ 排気>吸気をわずかに確保(微負圧)。
- CO₂>700ppm(5分)→ E=4台 強
- CO₂<600ppm(5分)→ S=80–85%またはE=3台 強→2台 強+1台 弱に落とす
4) 子実体成長期(900 ppm) 必要≈2170 m³/h
- 目安:S=75–85%(≈2320–2630)、E=2台 強(1862)〜3台 強(2793)
- まず S=80% + E=2台 強で開始 → CO₂>950ppm(5分)でE=3台 強
- CO₂<850ppm(5分)→ S=75% or E=2台 強(デューティ80→60%)
50Hz地域のとき:S満流量が2650 m³/hなので、原基期はS=100% + E=3台 強(必要に応じ4台)を基本に。数値は上の段替えより一段高めを目安に。
実装メモ
- 配線/部材
- FY‑40MSU3 → FY‑SCS05で70–100%可変(位相制御)。 (Panasonic Corporation)
- FY‑19CG1 → FY‑SW81W等で強/弱切替、台数制御はリレー/コンタクタで段運転。 (Panasonic Corporation, Yahoo!ショッピング)
- 保護:モータ保護のため最小ON/OFF 60秒以上。頻繁な再起動は避け、5分周期の時間比例を推奨。
- センサー:CO₂は上下2点(例:0.6 mと1.5 m)、移流撹拌用の循環ファンを併用。
- 差圧:給気/排気のバランスが崩れたら、差圧優先でS or Eを微修正(−2〜−5 Paに収める)。
- シャッター/逆止:逆流防止を必ず設置(電気式 or 重力式)。
- 周波数:地域の50/60Hzで公称風量が変わるため、初期段設定は地区に合わせて1段補正。
C:菌床を最適に栽培するための湿度
加湿器(霧太郎 KNC3000)2台により室内の湿度は、何%程度に設定するのがベストか?吸気、排気装置も作動している条件
吸排気が動いている前提で、白いキクラゲ(Tremella)の各期におすすめの室内相対湿度(RH)目標と、霧太郎 KNC3000×2台の運転ポイントをまとめます。
期別の最適湿度(目安)
フェーズ | 目的 | 推奨RHレンジ | 推奨セット値(中心) |
接種〜菌糸伸長期 | 基質内での菌糸定着・伸長 | 65–75% | 70% |
菌糸熟成期 | 菌糸充実、汚染抑制 | 70–75% | 72% |
原基形成期 | 低CO₂+高湿で原基誘導 | 88–92% | 90% |
子実体成長期(前半 2–3日) | 幼菌の乾燥防止 | 90–95% | 92% |
子実体成長期(後半〜収穫) | 形状安定・雑菌抑制 | 85–90% | 88% |
コツ:原基~成長初期は乾かさない、仕上げ期はびしょ濡れにしない。連続して96%超が続くと結露・細菌斑のリスクが上がります。
霧太郎 KNC3000(2台)の運転・制御の考え方
吸気(FY‑40MSU3)・排気(FY‑19CG1×4)を使うと外気で湿度が上下するため、湿度はCO₂制御と連動させるのが実務的です。
1) 基本制御(PID or 2段+デューティ)
- RH目標に対しヒステリシス±2%RH(原基/幼菌は±1%RH)
- 2台は交互デューティ(例:片方を基準、もう片方は+10–20%の追従補償)でオン/オフ回数を分散
- 最小ON/OFFは60秒以上(頻繁な断続で霧化体を痛めない)
2) 換気に対するフィードフォワード
- 排気段が上がる(E台数↑ or 強運転)ほど加湿出力を前倒しで+10〜30%
- 吸気Sが上がる(乾いた外気流入)ときも同様に一時的に+10〜20%
- 逆にCO₂低換気モードでは霧量を通常に戻す(過湿回避)
3) 露点マージン管理(結露対策)
- 室温に対して露点差ΔTdp=+2〜+3℃を目安に維持
- 例:室温24℃なら露点21〜22℃相当(表計算や露点センサーで監視)
- 壁・天井・ダクト表面温度が室温−3℃以下になる箇所があると結露しやすい→その範囲ではRH目標を2–3%下げるか断熱を追加
4) ノズル配置・運転の実務
- 霧の直当てを菌床へ禁止(水滴化→細菌リスク)
- できれば**上流側(吸気寄り)**に配置し、循環送風で室内に均一分散
- 2台は対角に置き、微角度の首振り(可能なら)でホットスポット回避
- 停止後の残霧排出:原基/幼菌期は停止直後に排気強制はしない(乾き過ぎ防止)。仕上げ期は微排気で過湿残りを掃く
期別の運転レシピ(吸排気と合わせて)
(CO₂制御案と両立する形)
接種〜菌糸伸長:RH 70%
- 排気:最小(E=1台デューティ30–50%)
- 吸気:原則OFF(差圧維持用の微給気はOK)
- 加湿:KNC A=基準、B=追従+10%、±2%RHでオン/オフ
熟成:RH 72%
- 排気:最小〜小(E=1台デューティ40–60%)
- 吸気:必要時のみ
- 加湿:伸長期と同様、露点差を常時監視
原基形成:RH 90%
- 排気:高換気(CO₂ 650ppm狙い)。E=3台強〜4台強
- 吸気:S=85–100%
- 加湿:換気強化で乾くため、**平常出力+20〜30%**の前倒し補償
- ±1%RH幅、最小ON120秒(霧不足→乾燥防止)
子実体成長 前半:RH 92%
- 排気:中〜やや高(CO₂ 900ppm)
- 吸気:S=75–85%
- 加湿:原基と同様、ただし連続>95%が30分超の時は排気を一段上げるか加湿を5–10%落とす
子実体成長 後半:RH 88%
- 排気:中(形状安定)
- 吸気:同上
- 加湿:**中心88%、±2%**でヒステリシス運転。仕上げ直前は86–88%まで下げると表面が締まりやすい
センサー&監視
- RHセンサーは2点(1.2–1.5 m高さ、霧直撃回避の遮蔽付き)→平均値で制御、差が大きい場合は循環不良として送風を増す
- 露点/温度・CO₂と排気段を同時ログ化し、換気段に対する加湿補償量を週次で学習更新(±5%刻み)
まとめ(即実装の指示書)
- 目標RH:70 / 72 / 90 / 92→88%(各期)
- 霧太郎2台:交互デューティ+フィードフォワード(排気・吸気段に比例+10〜30%)
- ΔTdp 2–3℃**をキープ(結露ラインが出たらRH−2〜3% or 断熱)
- センサー2点平均・最小ON/OFF 60–120秒・±1〜2%RHのヒステリシス
D: 推定収穫量
4クールの収穫期で生キクラゲの予測収穫量
white_tremella_yield_forecast_ 控えめシナリオ300g_本 | |||
菌床本数 | Flush | 1本あたり生重量(g) | 合計(kg) |
1 | 1st | 135 | 0.14 |
1 | 2nd | 90 | 0.09 |
1 | 3rd | 54 | 0.05 |
1 | 4th | 21 | 0.02 |
1 | 合計 | 300 | 0.3 |
white_tremella_yield_forecast_高収量シナリオ500g_本 | |||
菌床本数 | Flush | 1本あたり生重量(g) | 合計(kg) |
1 | 1st | 225 | 0.23 |
1 | 2nd | 150 | 0.15 |
1 | 3rd | 90 | 0.09 |
1 | 4th | 35 | 0.04 |
1 | 合計 | 500 | 0.5 |
white_tremella_yield_forecast_標準シナリオ400g_本 | |||
菌床本数 | Flush | 1本あたり生重量(g) | 合計(kg) |
1 | 1st | 180 | 0.18 |
1 | 2nd | 120 | 0.12 |
1 | 3rd | 72 | 0.07 |
1 | 4th | 28 | 0.03 |
1 | 合計 | 400 | 0.4 |
各クールの収量予測を、これまでの配分(45% / 30% / 18% / 7%)に基づいて試算しました。
1本あたりの累計収量は不確定なので、運用でよく見る3パターンで提示しています:
控えめ: 生300 g/本(4クール累計)乾燥30g/本 :乾燥120Kg/4,000本/1室
標準: 生400 g/本(4クール累計)乾燥40g/本 :乾燥160Kg/4,000本/1室
高収量: 生500 g/本(4クール累計)乾燥50g/本 :乾燥200Kg/4,000本/1室
読み方(例:標準シナリオ 400g/本)
- 1本あたり:
- 1st:180 g、2nd:120 g、3rd:72 g、4th:28 g(合計 400 g)
- 1000本なら:
- 1st:180 kg、2nd:120 kg、3rd:72 kg、4th:28 kg(合計 400 kg)
白いキクラゲ菌床で4クール収穫完了までの現実的な目安:35〜60日(環境最適化で前者寄りに短縮可能)。
生キクラゲを乾燥させた場合の概ねの量は1/10で計算
🔹 生キクラゲ → 乾燥キクラゲの重量変換
- 生キクラゲの水分含量は 約90%前後(季節・栽培条件で 88–93%程度)
- 乾燥工程で水分を10%前後まで下げるため、重量は概ね 1/8〜1/12 に縮むのが一般的です。
- 実務では「1/10換算」が多く使われます。
🔹 例
- 生キクラゲ 100 kg → 乾燥後 約10 kg
- 生収量 400 g/本(4クール累計)の場合 → 乾燥換算で 40 g/本程度
🔹 注意点
- 乾燥方法(熱風乾燥、凍結乾燥、真空乾燥など)で仕上がり重量が変動
- 高温乾燥だと仕上がりは軽くなるが、色・成分劣化リスクあり
- 凍結乾燥なら重量率は同様でも、色や多糖類(美容・食品機能性)保持率が高い
- 仕上げ水分率を8–10%に揃えることで、保存安定と重量計算の再現性が出やすい
👉 生重量の1/10換算をベースにして問題ありません。
商品規格で「水分含量○%以下」と定められている場合は、それに合わせて 1/9~1/11 で補正するのがベスト
E: 栽培期ごとの最適室温
フェーズ | 主な目的 | 最適室温レンジ | 推奨中心値 | ポイント |
菌糸伸長期(接種~活着) | 菌糸の基質への定着・伸展 | 24–28℃ | 26℃前後 | 高めで菌糸を早く走らせる。ただし28℃以上は汚染菌リスク増。 |
菌糸熟成期(充実期) | 菌糸の密度・基質内での充実 | 25–27℃ | 26℃ | 呼吸熱に注意。CO₂や湿度をやや安定させて内部成熟を促す。 |
原基形成期 | 子実体の原基誘導 | 23–26℃ | 24℃ | 温度低下+CO₂減少+高湿(90%前後)がトリガー。温度変化が重要。 |
子実体成長期(前半) | 幼菌を安定させる | 22–25℃ | 23℃ | 乾燥に弱いためRHを92%以上。温度は菌糸期より少し低め。 |
子実体成長期(後半~収穫) | 傘の肥大・形状安定 | 22–24℃ | 22–23℃ | 仕上げ期はやや低めが形状・色艶に良い。過高温は徒長・変形の原因。 |
F: 栽培室(144 m³ / 4000本)での運用の注意点
- 呼吸熱:菌床総量 ≈5.2t → 発熱量も大きいので、夏場は空調の余裕容量が必須。
- CO₂制御と連動:温度上昇に伴いCO₂排気が増える → 外気が暑いと加湿負荷も大きくなる。
- 変動管理:原基誘導は「温度を2–3℃下げる操作」が重要なトリガーになる。
- 結露リスク:22℃付近でRH 92%以上にすると、壁面が外気温より低い場合に結露する → 断熱 or 送風で回避。
✅ まとめ
- 菌糸期は 26℃前後
- 原基形成で24℃程度に下げる
- 子実体成長は 22–23℃で安定させる
「環境制御マトリクス表(CO₂×RH×Temp×換気)」
フェーズ | CO2目標レンジ(ppm) | CO2中心(ppm) | RHレンジ(%) | RH中心(%) | 室温レンジ(°C) | 室温中心(°C) | 推奨換気量レンジ(m³/h) | 推奨換気量中心(m³/h) | 中心時ACH(回/h) | 吸気(FY-40MSU3)目安 | 排気(FY-19CG1)目安 |
菌糸伸長 | 1000–2000 | 1500 | 65–75 | 70 | 24–28 | 26 | 300–700 | 480 | 3.33 | 基本OFF(差圧維持の微給気のみ) | 1台 弱(デューティ30–50%) |
菌糸熟成 | 800–1500 | 1100 | 70–75 | 72 | 25–27 | 26 | 300–700 | 460 | 3.19 | 基本OFF(差圧維持の微給気のみ) | 1台 弱(デューティ40–60%) |
原基形成 | 500–800 | 650 | 88–92 | 90 | 23–26 | 24 | 2400–3200 | 2720 | 18.89 | 85–100%(約2630–3100 m³/h) | 3台 強(必要時4台 強) |
子実体成長(前半) | 800–1200 | 900 | 90–95 | 92 | 22–25 | 23 | 1800–2400 | 2170 | 15.07 | 75–85%(約2320–2630 m³/h) | 2台 強(状況で3台 強) |
子実体成長(後半〜収穫) | 800–1200 | 900 | 85–90 | 88 | 22–24 | 22.5 | 1800–2400 | 2170 | 15.07 | 75–85%(約2320–2630 m³/h) | 2台 強(品質重視で微調整) |
環境制御マトリクスを作成しました。
- 表タイトル:白キクラゲ 栽培環境制御マトリクス(144m³ / 4000本)
White_Tremella_Env_Matrix_144m3_4000blocks.xlsx
使い方メモ
- CO₂・RH・室温はそれぞれ「レンジ」と「中心」を記載。
- 推奨換気量は前回のCO₂収支計算に基づく中心値(m³/h)と、144 m³室での**ACH(換気回数/h)**を併記。
- 機器との対応は、**FY‑40MSU3(吸気)**の目安出力と、**FY‑19CG1(排気)**の台数/強設定を直感的に引けるように欄を設けています。
G:成長期の切換わり判別方法
菌糸伸長期、菌糸熟成期、原基形成期、子実体成長期、収穫・維持期の切り替わりを計測データだけで見極める方法
“環境・生体の計測データだけ”でも各ステージの切り替わりは実用レベルで判定可能です(完全一致ではなく確率的判定)。ポイントは複数指標の同時監視+変化点検出
使うと精度が上がる指標
- CO₂排出量(ppmそのものではなく発生レート)
- 基材コア温度と室温の差(ΔT=T_core−T_air)
- O₂消費レート(可能なら)
- 重量変化(基材ごとにロードセルで含水・乾燥の推移)
- 噴霧後の湿度回復時間(RHが設定値に戻るまでの時間)
- VOC(MOSセンサで総量のトレンドを見る程度でOK)
- 画像(可能なら:原基検知・子実体面積/個数)※「計測データ」に含められるなら精度が跳ね上がります
ステージ別の“データ上の顔つき”
ステージ | 主なサイン(定性的) | 実装の目安(例) |
菌糸伸長期 | CO₂排出レート上昇中、ΔT_core-airが正で1–3℃程度を維持、重量はゆっくり減少 | 24–48h移動平均でCO₂発生レートの上向き傾向+ΔT>閾値 |
菌糸熟成期 | CO₂発生レートの頭打ち〜微減、ΔTもピーク後に低下、RH応答変化は小 | 傾き(一次微分)が0±εで安定、ΔTの下降変化点を検出 |
原基形成期 | 環境切替(CO₂低下・光照)に対し、CO₂の短期スパイク後に発生レートが低下、噴霧後のRH回復がやや遅くなることも | 環境変更をトリガに変化点検出(CO₂レートの谷、RH回復時間の延長)+(画像があれば原基ピクセルの新規出現) |
子実体成長期 | CO₂発生レートが再び緩やかに上昇、重量は間欠的な減少(蒸散)→給湿で戻る、ΔTは小さめで安定 | CO₂レートの緩上昇+日内の重量ギザギザ(蒸散⇄給湿)パターン |
収穫・維持期 | CO₂レートとΔTが漸減、重量トレンドは安定〜微減、画像では笠厚み/面積の伸びが鈍化 | レートの連続低下+画像の成長速度(面積増分)の鈍化 |
どうやって“発生レート”を見るか(簡易同定式)
部屋体積 V[m³]、換気量 Q[m³/h]、室内CO₂濃度 C[ppm]、外気 CO₂ を C_out[ppm] とすると、基材からの発生量 E[ppm·m³/h] は:
dC/dt ≈ (E/V) - (Q/V)*(C - C_out)
→ E ≈ V*(dC/dt) + Q*(C - C_out)
- ログの**微分(dC/dt)**は5–15分移動回帰で平滑化
- E を基材本数で割ると1本あたりの発生レートになり、ステージ差が見やすくなります
閾値の置き方(実務的な初期値)
- ΔT_core-air 閾値:+1.0〜+1.5℃超が48h連続 →「伸長期アクティブ」
- CO₂発生レート傾き:移動窓内で0付近に収束(±5〜10%/日) →「熟成期」
- 環境切替後の応答:CO₂レートが数時間で下方変化点を持ち、その後低位安定 →「原基形成入り」
- 重量の日内ギザ(蒸散パターンの振幅/周期が明確)→「子実体成長中」
- CO₂レート・ΔTの連続低下+画像の成長鈍化 →「収穫・維持」
数値の絶対値は品種・基材・密度で変わるため、自施設の最初の2–3サイクルを“教師データ”にして自動調整するのが現実解です。
判定アルゴリズムの雛形
- 5–15分間隔で各指標を取得(CO₂/O₂、T_core、T_air、RH、重量)
- 各系列を移動平均+ロバスト回帰で平滑化
- 特徴量:{平均、一次微分、二次微分、日内振幅、ステップ応答(噴霧後RH回復τ)}
- 変化点検出(PELT/窓相関/累積和CUSUM)
- ルールベースHMM(隠れマルコフ)またはランダムフォレストでステージ確率を算出
- しきい値超で状態遷移を宣言(ヒステリシスを持たせてフリップ防止)
センサ配置とサンプリング
- T_core:代表基材に細径サーミスタ(数点)+交換ローテ
- CO₂/O₂:室内2〜3点+排気ダクト上流1点(外気も1点)
- 重量:棚/トレイ単位のロードセル(代表点だけでも可)
- RH/温度:気流の当たり過ぎない位置に高さ別
- 取得間隔:5〜10分、変化点検出は30〜120分窓で
画像が使えるなら
- カメラ2〜3台の定点画像から原基ピクセルの新生・子実体輪郭面積の増分を見れば、原基形成期/成長期の確定度が一気に上がります。
- 画像が難しくても、上記のCO₂レート×ΔT×重量×RH応答で十分実用的です。
結論:
CO₂発生レート・ΔT_core-air・重量・RH応答を組み合わせ、変化点検出+ヒステリシスで判定すれば、各期の切り替わりをデータだけで高い再現性で見極められます。
H: 144㎥の栽培室でFY-40Msu3を1台で吸気、FY-19CG1を4台で排気をする場合、各成長期による最適風量を室内圧力で求める事は可能か?
方法:「室内差圧ΔPをセットポイント化」して、各期で必要な換気回数(ACH)になるよう吸・排気を段階制御します。まずは手持ち機器の実力値を把握——以下がメーカー公表の風量です。
- FY-40MSU3(吸気):50/60 Hz → 2590 / 3020 m³/h(低騒音・有圧換気扇)。Panasonic Biz+2Panasonic Biz+2
- FY-19CG1(排気):50/60 Hz → 947 / 931 m³/h(ミニシロッコ)。Panasonic BizPanasonic
144 m³ 室での理論ACH(60 Hz時の目安)
- 排気1台:6.46 ACH、2台:12.9 ACH、3台:19.4 ACH、4台:25.9 ACH
- 吸気1台フル:21.0 ACH※実流量はダクト/フィルタ圧損で低下。最終的にはP–Q特性範囲で確認。Panasonic Biz
ステージ別:ΔPターゲットと運転パターン(FY-40MSU3×1吸気、FY-19CG1×4排気)
ステージ | 目標ACH帯 | ΔP目安(室内基準) | 具体運転(60 Hz目安) | 補足 |
接種〜菌糸伸長 | 0.2–0.5 | +3〜+8 Pa(陽圧) | 排気4台=停止/吸気はダンパー絞り+間欠(ACH過大防止) | 陽圧で塵侵入を抑制。CO₂上限2000 ppmを超さない範囲で最小換気。 |
菌糸熟成 | 0.5–1 | +2〜+6 Pa(陽圧) | 排気停止/吸気は弱い連続または間欠 | O₂確保しつつ清浄維持。 |
原基形成 | 5–8 | −2〜−5 Pa(弱陰圧) | 排気1台 連続(6.46 ACH)。吸気はOFFか絞り、ΔPで微調整 | CO₂を500–800 ppmへ素早く低下。湿度維持に留意。 |
子実体成長 | 8–12 | −5〜−10 Pa(中陰圧) | 排気2台 連続(12.9 ACH)を基準。乾燥しやすければ1.5台相当(2台間欠)へ | 風乾に注意。加湿と連動。 |
収穫・維持 | 4–8 | −3〜−5 Pa | 排気1台 間欠(60–90%)または2台弱め | 作業時ドア開閉の影響をΔPで吸収。 |
50 Hz地域では、排気1台あたり6.58 ACH・吸気17.99 ACHが目安(上表とほぼ同等の運用でOK)。Panasonic Biz+1
「ΔPから風量」を求める実務手順(キャリブ推奨)
- 漏気キャリブ(Q–ΔP関係の同定) 排気停止→吸気を段階運転/次に吸気停止→排気を1→2→3→4台…と切替。各点で室内ΔPとダクト流量(風量計 or フード)を採取し、 Q = C·(ΔP)^n(n≈0.5–0.65)にフィット。以後は必要Q(=ACH×144)からΔPセットポイントを逆算できます。
- 二重ループ制御 内側:ΔP-PID制御(吸気ダンパー開度/吸気間欠で調整)。 外側:CO₂上位制御(上限接近時は排気台数↑/間欠率↑、湿度低下時は|ΔP|を浅く)。
- 設備ポイント 最大排気>吸気時は給気口を意図的に設置(プレフィルタ+中性能以上)し、侵入空気を必ずフィルタ経由に。ファンはP–Q特性範囲で使用。Panasonic Biz
すぐ使える計算の型
- 必要風量Q [m³/h] = 目標ACH × 144
- 推定ΔP = (Q/C)^{1/n}(キャリブ後に使用)
- 例:子実体成長で10 ACH狙い → Q=1440 m³/h → ΔPをその値に合うよう調整。 実運用はΔP±2 Paのバンド+CO₂/湿度の上位監視で安定します。
栽培室で測った2–4点のΔP–Qログを、各ステージのΔPターゲット値を数値確定したA4/PDF・Excel版にまとめる。(50/60 Hz両対応の台数・間欠表付き)。