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キノコ栽培:発生CO2活用特許出願

Ver. 250906 K.F CONFIDENTIAL

特許出願の可能性について検討=>特許事務所向け説明

  • 「キノコ栽培由来のCO₂を、フィルタ・除菌を経由して植物栽培に再利用するシステム」自体は過去の研究事例が存在する可能性がある。
  • しかし以下の条件が揃えば特許取得の可能性はあると考える
      1. 新規性:既存の技術と明確に異なる構成や方法(例:特定のフィルタ順序やCO₂濃度制御システム)。
      1. 進歩性:専門家が容易に思いつかない工夫(例:CO₂の除湿+活性炭+UVCの独自組み合わせ)。
      1. 産業上の利用可能性:農業分野で広く利用できる。

下記、 特許出願用 に最適化した文面に修正。専門的で論理的な記載を維持しつつ、特許庁審査官に向けて「新規性・進歩性・産業上の利用可能性」が伝わる構成とした。

特許出願用文案(案)

発明の名称

キノコ栽培により発生した二酸化炭素を植物栽培に利用する空気供給システム

背景技術

キノコ類は光合成を行わず、菌床中の糖質を分解する呼吸過程により成長する。この呼吸過程において多量の二酸化炭素(CO₂)が副生する。従来、このCO₂は栽培室外へ排気され、大気中に放出されていた。
一方、植物の生育に適したCO₂濃度は約1,000 ppmとされているが、大気中濃度は約420 ppmである。そのため、施設園芸ではCO₂ボンベや燃焼ガス発生装置を用いてCO₂を供給し、成長促進や収量増加を図っている。
しかし、この方法は追加的な燃料・資材コストを要し、かつ環境負荷の観点からも改善の余地がある。

発明が解決しようとする課題

キノコ栽培過程で発生するCO₂を回収・浄化し、隣接する植物栽培施設に供給することで、
  1. 環境負荷を低減する(大気放出の削減)。
  1. 植物成長を促進し、収穫効率を向上させる。
  1. CO₂発生源と利用先を一体化する新しい農業モデルを提供する。

課題を解決するための手段

本発明のシステムは以下の構成を有する。
  1. キノコ栽培室:CO₂を発生する栽培室。
  1. 粗じんフィルタ:胞子・粉塵を一次除去。
  1. 高性能フィルタ+送風ファン:微細粒子を除去し、空気を搬送。
  1. UVC LED 殺菌装置:空気中の菌や微生物を不活化。
  1. 除湿ユニット:過剰な湿気を除去し、植物栽培室の環境に適合させる。
  1. 活性炭フィルタ:臭気や残存有機ガスを吸着。
  1. インラインファンおよびダクト:空気を植物栽培室に輸送。
  1. 植物栽培室(例:エアロポニックス水耕栽培):浄化済みCO₂を含む空気を導入し、植物成長を促進。
本発明の特徴は、複数の浄化プロセスを直列に組み合わせてキノコ栽培由来のCO₂を植物栽培に安全に転用する点 にある。これにより胞子・雑菌による植物への汚染リスクを防止しつつ、安定したCO₂供給が可能となる。

発明の効果

  1. キノコ栽培由来のCO₂を有効活用することで、CO₂ボンベや燃焼装置の使用を削減し、コスト低減を実現できる。
  1. 植物の光合成を促進し、収穫期間の短縮・収量増加に寄与する。
  1. 環境へのCO₂排出削減により、SDGsなど持続可能な農業の推進に貢献する。
  1. 同一施設内での循環型利用により、新たな農業事業モデルを提供する。

産業上の利用可能性

本発明は、
  • キノコ栽培事業者と植物栽培事業者の協業、
  • コンテナ型農業施設、都市型植物工場、再生可能エネルギー利用型農業システム、
    • など幅広い分野での適用が可能である。

以下に 特許請求の範囲(請求項例) を提示します。
これは先ほど整理した発明内容をもとにした 出願用のたたき台 です。実際の出願では、弁理士による文言調整が必要ですが、構成要素の押さえ方として提示

特許請求の範囲(例)

【請求項1】(独立請求項)

キノコ栽培室から発生する二酸化炭素を植物栽培室に供給する空気供給システムであって、
  • キノコ栽培室からの排気を導入する吸気部、
  • 当該排気に含まれる胞子又は粉塵を除去する粗じんフィルタ、
  • 当該排気に含まれる微細粒子を除去する高性能フィルタ、
  • 当該排気中の微生物を不活化するUVC光源、
  • 当該排気の湿度を調整する除湿ユニット、
  • 当該排気に含まれる臭気成分を除去する活性炭フィルタ、
  • 前記処理済み空気を植物栽培室に送るための送風ファンおよびダクト、
    • を備えることを特徴とする空気供給システム。

【請求項2】(従属請求項)

請求項1に記載の空気供給システムにおいて、前記粗じんフィルタはG4規格の角形パネルフィルタであることを特徴とする空気供給システム。

【請求項3】

請求項1または2に記載の空気供給システムにおいて、前記高性能フィルタはMERV13以上の性能を有するフィルタであり、送風ファンと一体化されていることを特徴とする空気供給システム。

【請求項4】

請求項1〜3のいずれかに記載の空気供給システムにおいて、前記UVC光源は270〜280 nmの波長を照射するLEDバーであることを特徴とする空気供給システム。

【請求項5】

請求項1〜4のいずれかに記載の空気供給システムにおいて、前記除湿ユニットはヒートポンプ式除湿機であることを特徴とする空気供給システム。

【請求項6】

請求項1〜5のいずれかに記載の空気供給システムにおいて、前記植物栽培室はエアロポニックス方式又はハイドロポニックス方式の水耕栽培装置を含むことを特徴とする空気供給システム。

【請求項7】

請求項1〜6のいずれかに記載の空気供給システムにおいて、前記システムは植物栽培室内の二酸化炭素濃度をセンシングし、前記送風ファンの動作を制御する制御部をさらに備えることを特徴とする空気供給システム。

📌 上記構成により:
  • 請求項1で 基本的なシステム全体 を広くカバー
  • 請求項2〜7で 具体的な機材・方式・制御 を狭く特定
することで、広範な権利範囲を確保しつつ、具体例でも補強できます。

下記、実際の装置・部材をベースにした 実施例ベースの請求項例 を整理しました。
これにより審査官に「具体的にどのように構成されているか」が伝わりやすくなる。

特許請求の範囲(実施例ベース)

【請求項1】(独立請求項)

白いキクラゲ栽培室から発生する二酸化炭素を隣接する植物栽培室に供給する空気供給システムであって、
  • 白キクラゲ栽培室からの排気を導入する吸気口、
  • RS PRO製 G4 規格の粗じんフィルタ(594×594×95 mm)を備え、排気中の胞子及び粉塵を除去するフィルタ部、
  • Tex-Air Filters製 MERV13フィルタ(20×20×2インチ、4枚構成)と Lasko製 20インチ Box Fan を一体化して構成される高性能フィルタ+送風部、
  • 270〜280 nm の波長を照射する長さ1 mのUVC LEDバーを備える殺菌部、
  • Panasonic製ヒートポンプ式除湿機 F-YHX120 を備える除湿部、
  • 円筒カートリッジ型の活性炭フィルタ(直径150 mm、長さ600 mm)を備える脱臭部、
  • スイデン製 SJF-250L-1 インラインファン(直径250 mm×長さ350 mm)および直径250 mmのダクトを備える送風部、
    • を直列に接続した構成であり、前記送風部により浄化済み空気を植物栽培室に供給することを特徴とする空気供給システム。

【請求項2】

請求項1に記載の空気供給システムにおいて、前記植物栽培室はエアロポニックス水耕栽培装置を備え、浄化済み二酸化炭素を植物の光合成促進に利用することを特徴とする空気供給システム。

【請求項3】

請求項1または2に記載の空気供給システムにおいて、前記植物栽培室の二酸化炭素濃度をセンシングするセンサと、当該濃度に応じて前記送風部を制御する制御装置を備えることを特徴とする空気供給システム。

【請求項4】

請求項1〜3のいずれかに記載の空気供給システムにおいて、前記白キクラゲ栽培室と植物栽培室は、それぞれ幅2,350 mm、奥行6,050 mm、高さ2,786 mmの密閉ハウスであり、両室が並列に設置されていることを特徴とする空気供給システム。

📌 このように「実際に使う部材(RS PRO フィルタ、Tex-Air、Lasko、Panasonic、スイデンなど)」を明記すると、実施例としての具体性が強まり、出願時に 実施可能要件 を満たしやすくなります。
同時に、請求項1で「直列に構成されたシステム」という概念を広く押さえ、従属請求項で細部を限定する形にしています。

以下に 特許明細書の草稿(実施例ベース、図面番号連動) をまとめました。
出願時に必要な「発明の詳細な説明」部分として利用できる構成です。

発明の詳細な説明(草稿)

【発明の名称】

キノコ栽培により発生した二酸化炭素を植物栽培に利用する空気供給システム

【技術分野】

本発明は、キノコ栽培過程で副生する二酸化炭素を植物栽培に有効活用する空気供給システムに関し、特に白いキクラゲ栽培施設とエアロポニックス水耕栽培施設を組み合わせた循環型農業システムに関する。

【背景技術】

従来、キノコ栽培室で発生する二酸化炭素は大気中へ排出されており、有効利用はなされていなかった。
一方、植物は成長促進のために高濃度(二酸化炭素約1,000 ppm)の環境を必要とし、施設園芸ではボンベ供給や燃焼式装置を用いてCO₂濃度を制御している。
しかしこれらはコストが高く、環境負荷も大きいという課題がある。

【発明が解決しようとする課題】

本発明は、キノコ栽培由来の二酸化炭素を安全かつ効率的に植物栽培に転用することで、
  1. 二酸化炭素排出の削減(環境負荷の低減)、
  1. 植物の成長促進と収量増加、
  1. エネルギー効率の高い循環型農業モデルの提供、
    1. を目的とする。

【課題を解決するための手段】

本発明の空気供給システムは、以下の構成を備える(図1参照)。
  • 白キクラゲ栽培室(100):CO₂を発生する密閉ハウス(幅2,350 mm、奥行6,050 mm、高さ2,786 mm)。
  • 吸気口(110):栽培室内の排気を取り込む。
  • 粗じんフィルタ(120):RS PRO製 G4 規格フィルタにより胞子・粉塵を除去。
  • 高性能フィルタ+送風部(130):Tex-Air Filters製 MERV13フィルタと Lasko製 20インチ Box Fan を組み合わせ、微細粒子を除去し送風。
  • 殺菌部(140):270〜280 nm を照射する長さ1 mのUVC LEDバーにより空気を殺菌。
  • 除湿部(150):Panasonic製 F-YHX120 ヒートポンプ式除湿機により空気中の湿度を調整。
  • 活性炭フィルタ(160):直径150 mm、長さ600 mmの円筒カートリッジにより臭気成分を除去。
  • 送風部(170):スイデン製 SJF-250L-1 インラインファンおよび直径250 mmのダクトで構成し、植物栽培室に搬送。
  • 植物栽培室(200):エアロポニックス水耕栽培装置を備え、導入されたCO₂を利用してイチゴなどを栽培。

【作用】

白キクラゲ栽培室(100)内で発生したCO₂を含む排気は、吸気口(110)から取り込まれ、
粗じんフィルタ(120)、高性能フィルタ(130)、殺菌部(140)、除湿部(150)、活性炭フィルタ(160)を順次通過する。
これにより、胞子・粉塵・微生物・過剰水分・臭気が除去され、清浄かつ植物栽培に適した空気となる。
その後、送風部(170)により植物栽培室(200)に供給され、CO₂が光合成に利用されることで植物の成長が促進される。

【効果】

  1. 二酸化炭素の有効利用による環境負荷削減。
  1. 植物の収穫期間短縮および収量増加。
  1. キノコ栽培施設と植物栽培施設を連結することで新たな循環型農業システムを実現。
  1. 専用のCO₂供給装置を不要とし、コスト削減に寄与。

【産業上の利用可能性】

本発明は、
  • コンテナ型植物工場、
  • 都市部の室内農業、
  • 大規模ハウス農業、
    • に適用可能であり、環境配慮型の農業システムとして広く展開可能である。

【図面の簡単な説明】

  • 図1 本発明の空気供給システムの構成図
    • (100 白キクラゲ栽培室、110 吸気口、120 粗じんフィルタ、130 高性能フィルタ+送風部、140 殺菌部、150 除湿部、160 活性炭フィルタ、170 送風部、200 植物栽培室)

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