白キクラゲ栽培詳細
白キクラゲ(Tremella fuciformis)の菌を採取して培養する方法について、以下の手順で詳しく説明します。
■ 白キクラゲの菌採取と培養の流れ
【1】菌源の確保(採取または入手)
方法①:自然から採取する
- 発生時期:梅雨~秋にかけて、暖かく湿った環境下で発生。
- 生息場所:クワ、エノキなどの広葉樹の倒木や枯枝上に発生する。
- 採取方法:
- 発生している白キクラゲの子実体(実際のキノコ)を清潔なナイフやピンセットで丁寧に採取。
- 滅菌したビニール袋や試験管に密封し、なるべく早く室内へ持ち帰る。
方法②:既製の白キクラゲ菌株を購入
- 信頼できる菌種メーカー(例:菌興、ホダ木業者、研究機関)から純粋培養された**種菌(液体・寒天培地・穀類種菌)**を購入するのが一般的で確実。
【2】純粋培養の準備
子実体から純粋な白キクラゲ菌糸を取り出して培養するには、無菌操作が必要です。
■ 必要な器具・材料
- 滅菌済みシャーレ(PDA培地、MEA培地など)
- オートクレーブ or 圧力鍋(滅菌)
- 無菌ピンセット・ナイフ・アルコールランプ or クリーンベンチ
- パラフィルム or ラップ(シャーレ密閉用)
【3】菌糸の分離培養手順
ステップ①:子実体表面の洗浄
- 表面を滅菌水でよく洗浄し、75%エタノールで表面殺菌(数十秒)→ 滅菌水で洗い流す。
ステップ②:無菌操作で培地に接種
- 殺菌後の子実体を小さくカットし、シャーレ上の培地に置く。
- 培地は**PDA(馬鈴薯デキストロース寒天)**が推奨。
- シャーレを密封し、25~28℃の暗所で保管。
ステップ③:菌糸の生育観察
- 2~3日後に菌糸が伸び始める。
- 他の雑菌が出たら、清潔な部分だけを再度培地に移植(継代)し、純粋な菌株を得る。
【4】種菌の増殖(穀類種菌・液体種菌)
■ 穀類種菌の作成
- 蒸した麦・トウモロコシ・玄米などを滅菌瓶に入れてオートクレーブで滅菌。
- 上記で得た純粋な菌糸を瓶内に接種し、培養する(25~28℃、2~4週間)。
■ 液体種菌の作成
- ブドウ糖や酵母エキスを加えた液体培地に菌糸を接種し、シェーカーで培養。
- 液体菌は培養スピードが速く、量産向き。
■ 注意点・アドバイス
- 白キクラゲは他の木材腐朽菌(特にヒメカバイロタケ)との共生が必要なため、単独ではホダ木上での結実が難しいです。
- 菌糸培養後の本格的なキノコ栽培(果実化)には、補助菌(共生菌)との共存が必要なため、プロの種菌セットを購入するのが現実的。
- 培養時は雑菌汚染に細心の注意を払うこと。
■ まとめ
ステップ | 内容 |
---|---|
菌源採取 | 子実体から or 市販菌株を使用 |
純粋培養 | PDA培地で無菌的に分離培養 |
種菌の増殖 | 穀類 or 液体培地で拡大培養 |
果実化(結実) | 共生菌を併用した木材などでの栽培 |
☆白キクラゲの果実化(キノコとして育てる)ために必要な「共生菌との同時培養」と栽培方法、さらに家庭でもできる小規模培養装置の設計例をご紹介します。
■ 白キクラゲを果実化させるためのポイント
◉ 白キクラゲは「共生菌」が必要
白キクラゲは他の木材腐朽菌(特に「ヒメカバイロタケ」Annulohypoxylon archeri)の菌糸がある木材上でしか実体を形成しません。つまり:
- 白キクラゲ単独ではキノコは出ません(菌糸は伸びるが実をつけない)。
- ヒメカバイロタケなどの菌が木材内に存在していると、共生的に白キクラゲが結実します。
■ 栽培方法:共生菌と白キクラゲの同時培養
【方法1】天然木(ホダ木)での栽培
▼ 材料:
- 広葉樹(クワ、エノキなど)の丸太または太めの枝(直径10~20cm、長さ30~50cm)
- 白キクラゲ菌糸(穀類種菌)
- ヒメカバイロタケ菌糸(穀類種菌)
▼ 手順:
- 丸太にドリルで直径1cm、深さ2~3cmの穴を等間隔にあける。
- ヒメカバイロタケの種菌をまず接種し、木材内部で定着させる(1~2ヶ月ほど)。
- その後、白キクラゲの種菌を追加接種する。
- 湿度・温度を保ちながら保管(25~28℃、湿度80%以上)。
- 3〜6ヶ月後、適した環境で果実体が出現。
【方法2】人工培地による袋栽培(省スペース・家庭用向け)
▼ 材料:
- オートクレーブ殺菌済みのおが粉培地(オガ粉 + フスマ + 水 + 石灰など)
- PP袋 or ブロック容器(耐熱性)
- 両種の菌(白キクラゲとヒメカバイロタケ)
▼ 手順:
- おが粉培地にヒメカバイロタケの菌を混ぜて袋詰め → 滅菌 → 接種。
- 2〜4週間後、ヒメカバイロタケ菌糸が伸びた段階で白キクラゲを接種。
- 室温25〜28℃・湿度80%以上の環境で管理。
- 発生時には袋に切り込みを入れて果実体を外に出す。
■ 小規模装置例:家庭向けキクラゲ培養ボックス
構成要素 | 内容 |
---|---|
容器 | 45cm×30cm×30cm程度のプラスチックケース(密閉可能) |
湿度保持 | 超音波加湿器+湿度計(80%以上) |
温度制御 | ヒーター(冬季)または冷却ファン(夏季)+サーモスタット |
光 | 1日4〜6時間ほどのLED(直射日光不可) |
空気交換 | 側面にHEPAフィルター付小型ファン(酸欠・カビ防止) |
培養袋やホダ木をこの中に入れれば、家庭でも白キクラゲの果実体が観察・収穫できます。
■ 成功のコツ・注意点
- 共生菌の先行定着が重要(白キクラゲだけだとキノコになりません)。
- 培養中の雑菌汚染に注意(特に袋栽培では無菌操作を徹底)。
- 白キクラゲは水分が多く、**収穫後は冷蔵保存(2〜3日)**が限度。乾燥させて保存も可。
■ ご希望に応じて提供可能なもの
- 栽培スケジュール表(種菌接種~収穫まで)
- 自作クリーンベンチ設計例(低予算)
- 加湿・温度制御システムの部品リスト(家庭用向け)
- イラストまたは図解での装置構成図
☆
ありがとうございます。以下に、白キクラゲとその共生菌(特にヒメカバイロタケなど)を自然界から採取する方法、およびそれぞれの菌を増殖(純粋培養)する方法、さらに菌床の製造方法を段階的に詳しく説明します。
🌿 1. 自然界での採取場所と時期
【白キクラゲ(Tremella fuciformis)】
- 場所:温暖で湿潤な地域の**広葉樹(特にクワ・エノキ・カキなど)**の朽木、倒木、立ち枯れ枝上。
- 発生時期:梅雨~秋(6月~10月)にかけて多湿な時期。
- 見た目:白~透明感のあるゼラチン質で、花のような形をしている。
【共生菌:ヒメカバイロタケ(Annulohypoxylon archeri)】
- 場所:同じく広葉樹の朽木表面(特にクワやカキ)、乾燥した木部に黒い炭のような粒状構造(子嚢殻)が見られる。
- 見た目:黒褐色~炭色のパッチが点在しているように見える。発生場所に白キクラゲが重なることもある。
🧪 2. 採取方法と無菌的な分離培養
◉ 採取道具
- 滅菌ピンセット・ナイフ
- 滅菌保存容器(滅菌済シャーレ、ビニール袋)
- エタノール、滅菌水
◉ 白キクラゲの菌糸分離手順
- 採取した白キクラゲの子実体を持ち帰る。
- 表面を75%エタノールで30秒処理 → 滅菌水で洗浄(2〜3回)。
- 無菌ベンチ(またはアルコールランプ下)で内部を少量取り、PDA培地に接種。
- 25~28℃、暗所で保温し、伸びた菌糸を継代培養。
◉ ヒメカバイロタケの菌糸分離手順
- 炭のような構造(子嚢殻)をナイフで削り取り。
- 同様に表面滅菌→内部の断面から菌を切り出す。
- MEAまたはPDA培地に接種→無菌的に培養。
両者とも他のカビに汚染されやすい
🧬 3. 菌の増殖(種菌作成)
【穀類種菌】
- 小麦や玄米を24時間吸水 → 蒸して柔らかくする。
- ガラス瓶に入れてオートクレーブ(または圧力鍋)で120℃・30分滅菌。
- 冷却後、白キクラゲまたは共生菌をそれぞれ接種。
- 25~28℃で2~4週間保温→菌糸が穀類全体に広がれば完成。
【液体種菌(オプション)】
- ブドウ糖2%、酵母エキス0.5%入りの液体培地に接種→振盪培養(シェーカー推奨)。
🧱 4. 菌床の製造方法(人工培地)
◉ おが粉菌床レシピ(10袋分の例)
材料 | 分量(g) |
---|---|
おが粉(広葉樹) | 5000 |
フスマ(小麦のぬか) | 1000 |
グルコース(糖) | 100 |
石灰 | 50 |
水 | 約3000ml(含水率60~65%目安) |
◉ 製造手順
- 上記を混合し、含水率を調整。
- PP袋(耐熱)に2~3kg詰めて上部に脱気穴を開ける。
- 120℃で90分滅菌(圧力鍋またはオートクレーブ)。
- 冷却後、まずヒメカバイロタケの種菌を接種→2〜4週間培養。
- 共生菌が定着した後、白キクラゲの種菌を追加接種。
- 温度:25〜28℃、湿度:80%以上で管理。
🌾 5. 発生条件と管理
- 結実条件:
- 温度:25~28℃
- 湿度:90%以上
- 光:1日4~6時間の弱い光
- 空気:換気は必須(CO₂が溜まると発生しにくい)
- 発生までの期間:接種後2~3ヶ月で果実体が出始めることが多い。
🔧 6. 応用とヒント
- 発見した場所で白キクラゲと共生菌が同時に存在していた場合、その木片自体を小さくカットし、培地に直接置いて共同培養する方法も有効です(フィールド・コクーン方式)。
- 乾燥した朽木を持ち帰り、加湿チャンバーに入れると自然発生する場合があります。
ご希望があれば以下も対応可能です:
- 📊 発生スケジュール表(種菌接種から収穫まで)
- 🧫 培地レシピのPDF化
- 🏠 家庭向け菌床栽培セットの設計図(湿度・温度制御付き)
- 🖼 採取現場や菌床構造のイラスト化
ご興味ある内容を教えていただければ、すぐに作成いたします。
☆
20ftコンテナ内で白キクラゲを効率的に栽培する場合、菌床の本数(=栽培密度)は**「換気・湿度管理・CO₂濃度」**を維持しながら、スペースと棚配置を最適化することが重要です。以下に計算と実用的な提案を示します。
📦 1. 20ftコンテナの基本仕様
項目 | 数値 |
---|---|
内寸(L×W×H) | 約5.9m × 2.3m × 2.3m |
容積 | 約31.2 m³ |
床面積 | 約13.6 ㎡ |
🧱 2. 菌床のサイズと配置条件(例)
項目 | 数値例 |
---|---|
菌床サイズ | 約φ10cm × 高さ20cm |
棚段数 | 5段(床〜天井2mまで使用) |
棚間通路 | 幅約60cm(中央に通路1本) |
菌床間隔 | 側面2cm、上下10cm程度確保 |
📐 3. 配置パターンと最大本数
- 両側に棚(奥行40cm)を設置
- 中央に通路(60cm)
- 各棚に菌床を1段に20本 × 5段 = 100本/棚
- 両側棚で 100本 × 2列 = 200本/1列
- 棚を長さ5.5mに沿って3列設置可能(棚と棚の間に適切な通気空間)
→ 合計:
200本/列 × 3列 = 最大600本
✅ 4. ベストな本数(推奨)
種類 | 本数 | 理由 |
---|---|---|
最大限詰めた場合 | 約600本 | 空間をフル活用。ただしCO₂・湿度制御が難しくなる。 |
推奨(管理・通気優先) | 400〜500本 | 発生率と品質を両立。CO₂制御もしやすく雑菌抑制効果。 |
💡補足:CO₂再利用や空調設計を考えるなら…
- 空気混合循環ファン・排気ファンを導入することで最大600本でも管理可能
- 白キクラゲのCO₂排出を他作物(例:葉菜類)に供給するシステムとの連携で相乗効果あり
🔚 結論(おすすめ)
🌱20ftコンテナでの白キクラゲ栽培は、400〜500本の菌床配置が品質・管理効率・収益性のバランスが取れた最適範囲
ご希望があれば、棚設計図、CO₂分布シミュレーション、または収支モデル(ROIシート)なども作成できます。ご遠慮なくお申し付けください。
☆
白キクラゲの人工栽培における各栽培ステージの一般的な期間(日数)は以下の通りです。ただし、栽培環境(温度・湿度・CO₂濃度・品種)により若干前後します。
🍄 白キクラゲの栽培サイクル(菌床栽培)
栽培ステージ | 概要 | 日数(目安) |
---|---|---|
培養期 | 菌糸が菌床全体に回るまでの期間 | 約 25〜35日 |
転換期 | 気相転換・刺激により子実体の原基形成を促す期間 | 約 3〜7日 |
発生・収穫期 | 子実体が成長し、収穫に至るまでの期間 | 約 7〜15日(1回目)(再発生含むと+10〜20日) |
🔄 補足:リピート収穫(フラッシュ収穫)
- 同じ菌床から2〜3回収穫が可能。
- 第2〜3フラッシュではやや小ぶりだが、品質は良好。
📊 総栽培期間(1サイクル)
- 目安:35〜55日程度(再発生を含めると最大70日)
必要に応じて「各期の環境条件(温湿度・CO₂)」や「CO₂排出量モデル」「収穫量推定モデル」もご提供できます。ご希望があればお知らせください。
☆
白キクラゲ(Tremella fuciformis)の菌床1本あたりの平均的な収穫量および収穫スケジュールについて、以下のようにまとめました。
■ 白キクラゲ菌床1本あたりの収穫量とスケジュール
回数 | 収穫量(g)※目安 | 栽培期間(各段階) | 所要日数(目安) | 累計日数 |
---|---|---|---|---|
1回目 | 120〜150g(平均135g) | 培養期(20日)→転換期(4日)→発生期(10日) | 約34日 | 約34日 |
2回目 | 80〜100g(平均90g) | 転換期(3日)→発生期(10日) | 約13日 | 約47日 |
3回目 | 50〜80g(平均65g) | 転換期(3日)→発生期(10日) | 約13日 | 約60日 |
合計 | 290g前後 |
■ 補足
- 収穫は最大3回程度が一般的です。それ以降は品質・量ともに低下します。
- 「転換期」は発生条件への環境調整(温湿度・光・CO₂など)を行う期間です。
- 「発生期」は実際に白キクラゲの子実体が発育・成長する期間です。
- 実際の収穫量や日数は、培養技術・環境制御・菌種の力により変動します。
ご希望があれば、月別収穫計画や年間シミュレーションも作成できます。必要ですか?
☆
白キクラゲを乾燥させた場合の重量は、含水率によって大きく変わりますが、以下が一般的な目安です:
■ 白キクラゲの乾燥後重量の目安
状態 | 重量比(乾燥:生) | 収穫量135g(生)の場合 |
---|---|---|
生キクラゲ | ー | 135g |
乾燥キクラゲ | 約1 : 10〜15 | 約9〜13.5g(平均:約10g) |
■ 補足事項
- 白キクラゲの**含水率は約90〜93%**と非常に高いため、乾燥させると約 1/10〜1/13程度の重さになります。
- 乾燥方法(天日乾燥、熱風乾燥、低温乾燥)により、重量や品質(香り、色、戻し率)に差が出ます。
- 高品質な乾燥白キクラゲは、戻したときに10〜15倍に膨らみ、弾力と透明感が戻るのが特徴です。
ご希望があれば、「乾燥コスト」「商品化時の利益率モデル」「戻し時間と水温の関係」などもご提供できます。どうしましょうか?
☆
白キクラゲ菌床1本あたりの年間収穫量は、1サイクルでの収穫量と年間の栽培回数から計算できます。
■ 前提条件(1菌床あたり)
項目 | 内容 |
---|---|
1サイクル収穫量 | 約290g(生キクラゲ) ※3回収穫で合計 |
1サイクル日数 | 約60日(培養~3回目の収穫終了まで) |
年間サイクル回数 | 約6回(365日 ÷ 60日 ≒ 6.08、端数切捨て) |
■ 年間収穫量(1菌床あたり)
■ 乾燥キクラゲ換算
- 生の約1/13と仮定:
ご希望があれば「1000本菌床時」「20ftまたは40ftコンテナ内での年間生産量」なども計算可能です。続けますか?
☆
白キクラゲの菌床を900本栽培する密閉型20ftコンテナにおいて、**最大CO₂濃度(ppm)**を推定するために、以下の条件と計算式を用います。
✅ 前提条件
- 菌床1本あたりのCO₂排出量(ピーク期)
約 60g/日(=1日最大)(※発生・収穫期における推定)
- CO₂のモル質量
44g/mol
- 理想気体の状態方程式(近似)
1 molのCO₂は約 22.4 L(0°C, 1 atm)
- コンテナの内容積(内寸)
- 長さ: 5.89 m
- 幅: 2.35 m
- 高さ: 2.39 m
→ 内容積 ≒ 33.1 m³ = 33,100 L
🧮 計算ステップ
① CO₂総排出量(900本分/日)
60 \text{ g/日} × 900 \text{本} = 54,000 \text{ g/日}
54,000 \text{ g} ÷ 44 \text{ g/mol} = 1,227.27 \text{ mol}
1,227.27 \text{ mol} × 22.4 \text{ L/mol} = 27,886.85 \text{ LのCO₂}
② 密閉空間内でのCO₂濃度(ppm)
\frac{27,886.85 \text{ L}}{33,100 \text{ L}} × 1,000,000 = \boxed{8424\ \text{ppm}}
✅ 結論
白キクラゲ900菌床が1日で放出するCO₂量により、密閉された20ftコンテナ内のCO₂濃度は
👉 約 8,424 ppm に達する可能性があります。
⚠️ 注意点
- 実際には菌床のCO₂放出量は日変動があり、培養期や転換期はもっと少ないです。
- 10,000ppmを超えると作業環境としては危険なレベルになります。
- 通気や換気システム(例:ロスナイ)での濃度管理が必須です。
- CO₂濃度センサーと排気ファンを連動させる自動制御が推奨されます。
必要であれば、CO₂濃度の時間変化グラフや自動換気システムの設計案もご提案できます。ご希望ですか?
☆
以下に、白キクラゲ菌床900本を密閉された20ftコンテナ内で栽培する場合の、
各成長期ごとのCO₂濃度(ppm)最大値の推定結果を示します。
✅【前提条件まとめ】
項目 | 内容 |
---|---|
菌床数 | 900本 |
コンテナ内容積 | 約33.1 m³(33,100 L) |
CO₂のモル質量 | 44g/mol |
1molのCO₂体積(標準状態) | 約22.4L |
濃度単位 | ppm = (CO₂排出量 ÷ 室内気体量) × 1,000,000 |
✅ 各期における
菌床1本あたりのCO₂排出量(1日)
成長期 | CO₂排出量(g/本・日) | 理由・特徴 |
---|---|---|
培養期 | 約15g | 菌糸の増殖期。活動は緩やか。 |
転換期 | 約30g | 温度/湿度の変化で菌糸が子実体形成へ移行 |
発生・収穫期 | 約60g | 活発な呼吸・生育段階(最もCO₂を排出) |
🧮 各期のCO₂排出量から
ppmを計算
① 培養期(900本 × 15g)
- 総排出量 = 13,500g → 306.8 mol → 約6,872 L
- ppm換算 =
\frac{6,872}{33,100} × 1,000,000 ≒ \boxed{2,076\ \text{ppm}}
② 転換期(900本 × 30g)
- 総排出量 = 27,000g → 613.6 mol → 約13,754 L
- ppm換算 =
\frac{13,754}{33,100} × 1,000,000 ≒ \boxed{4,156\ \text{ppm}}
③ 発生・収穫期(900本 × 60g)
- 総排出量 = 54,000g → 1,227 mol → 約27,887 L
- ppm換算 =
\frac{27,887}{33,100} × 1,000,000 ≒ \boxed{8,424\ \text{ppm}}
✅【まとめ表】
成長期 | CO₂排出量(g/900本/日) | ppm換算(密閉時) |
---|---|---|
培養期 | 13,500g | 約 2,076 ppm |
転換期 | 27,000g | 約 4,156 ppm |
発生・収穫期 | 54,000g | 約 8,424 ppm |
🔧 補足と対応策
- 最適CO₂濃度は各期で異なり、一般的には「1,000〜1,500ppm」が目安。
- 密閉栽培ではCO₂が過剰になりすぎるため、
- 換気(排気ファン・ロスナイ)
- 植物共栄(例:イチゴや葉菜類)
- CO₂センサー連動制御
の導入が必要です。
必要であれば、CO₂濃度自動制御グラフや植物との混栽プランもお出しできます。ご希望されますか?
🌏共生菌の商用供給例(福建省・台湾など)
地域 | 概要 |
---|---|
🇨🇳 中国・福建省 | 世界最大の白キクラゲ生産地。共生菌を含む「複合菌床」や、種菌(種駒)として供給されることがある。福建農業科学院や莆田などで取扱あり。 |
🇹🇼 台湾(彰化・雲林) | 日本向けにも輸出されている高品質白キクラゲ菌株あり。共生菌との共培養技術に定評あり。台湾農業試験所など。 |
🇯🇵 日本国内業者 | 一部、共生菌付き菌床を中国・台湾から輸入。自社で共生菌を維持・分離している例もあり(例:きのこ業者・種菌センター)。 |
🧾 商用供給の確認方法
- 輸入菌床業者に**「共生菌が含まれているか」「菌種名」**を確認
- 中国系では「Tremella fuciformis + Hypoxylon spp.」の記載あり
- 台湾では「台中No.1株」や「純白系統」など、独自育種名で流通
🧪 PCRやDNA識別を行う場合(専門ラボ用)
- ITS領域(Internal Transcribed Spacer)をPCRで増幅し、白キクラゲと共生菌の分離同定
- 参考文献:Oei, P. (2003), Mushroom Cultivation, FAO
✅【1】白キクラゲの共生菌(宿主菌)の入手先情報・入手方法
🇨🇳 中国本土からの入手(福建省)
区分 | 内容 |
---|---|
主産地 | 福建省・広東省(莆田市など) |
供給形態 | ・共生菌入り菌床(完成菌床)・共生菌付き種菌(駒菌) |
検索用キーワード | 「银耳 菌种」、「银耳共生菌」、「Tremella fuciformis + Hypoxylon spp」 |
入手方法 | ・阿里巴巴(1688.com)などで農業用菌種取扱業者に直接交渉・輸入実績のある日本国内の商社に依頼(例:菌床輸入代行、きのこ資材商社) |
⚠ 注意:輸入には植物防疫法に基づく検疫・輸入許可
🇹🇼 台湾からの入手
区分 | 内容 |
---|---|
主産地 | 彰化、雲林など |
株名 | 台中1号株(Tai-Chung No.1)、台湾白雪耳 |
入手方法 | ・台湾農業試験所または民間菌種バンク・日本国内業者が輸入・分離した菌を販売しているケースあり |
参考リンク | 台灣農業試驗所、雲林科技大學 食品科學系など |
🇯🇵 日本国内での入手方法(可能性あり)
区分 | 内容 |
---|---|
供給元候補 | ・日本きのこセンター・種菌販売業者(JA・全国農協連系、ニッテンバイオなど) |
方法 | 白キクラゲの「共生菌分離株」の取扱があるか、直接問い合わせが必要 |
備考 | 国内では共生菌単体の販売は稀。使用済み菌床から自力で分離培養するのが現実的なケースも多い |
✅【2】共生菌を活かした
菌床の自作レシピと工程
🍄 菌床構成(共生菌 + 白キクラゲ用)
材料 | 割合(%) |
---|---|
オガクズ(広葉樹) | 60〜65% |
フスマ(小麦ぬか) | 10〜15% |
米ぬか | 5〜10% |
コーン粉末 | 5〜10% |
グルコース or 黒糖 | 1〜2% |
炭酸カルシウム | 1〜2% |
水分 | 約60〜65%(握って水が出る程度) |
🧪 菌床製造・共生菌共培養プロセス
- 培地混合・加水(上記材料を混合して適湿に)
- 高温殺菌(121℃・2時間)
- 冷却後に共生菌を先に接種(木材腐朽菌を十分活着させる)
- 5〜10日後に白キクラゲ菌を再接種
- 培養室で20~27℃・湿度70~80%で約20日培養
- 転換処理→子実体誘導→発生期移行へ
🔍 補足:共生菌がないとどうなるか?
白キクラゲは木材成分を単独で分解できない不完全菌のため、共生菌の生成した養分(リグニン分解産物など)を吸収して発育します。共生菌なしでは子実体がほとんど出現しません。