
キノコ菌床栽培で発生の”CO2”活用
菌床栽培で発生の”CO2”を野菜栽培に利用する装置のご案内
Ver.290625K.F
株式会社 G I F T
シン・キクラゲ等の各種キノコの菌床栽培では菌床及びキノコ菌の成長により多くのCO2が発生します。発生したCO2を活用するには植物の成長に必要なCO2濃度、1,000ppm〜1,200ppmが必要です。しかし自然界のCO2濃度は400ppm程度しかありません。このため植物栽培農家様はハウスや密閉式栽培施設へ野菜栽培施設へCO2ボンベを設置し濃度を上げ栽培されています。
キクラゲ等のキノコ菌床栽培で自然発生するCO2を供給し野菜の成長促進に使用する事は問題か?調査しましたが問題はありませんでした。むしろ市販CO2ボンベは使用目的により含有成分が異なるため野菜に与える成分が含まれていないかを吟味し選択する必要があります。
キノコ菌床栽培で発生するCO2は有機物によるもので野菜栽培に用いる事は問題が無いですが、
懸念すべきは多湿環境下での栽培が必要なために栽培室内の湿度を高めてています。
キノコ菌床栽培では 胞子・病原・湿度・臭気が含まれる可能性は否定出来ません。
この問題を解消するにはキノコ栽培施設から排出し野菜栽培施設へ供給する空気をフィルタで胞子や粉塵を除去した後、加熱するなどし除去する必要があります。
下記キノコ菌床栽培施設規模として上記を処置する設備例
20ftコンテナサイズでキクラゲを約1,000菌床のキノコ栽培施設からCO2を含む空気を加熱殺菌、除湿を行い野菜栽培施設に送り野菜へ与える要素を排除するシステムの提供
1. “最低限にリスクを抑える 5 ステージ
20 ft コンテナ(内空 ≒ 33 m³)で 1,000 ブロックの白キクラゲを培養する場合、 風量 200–250 m³ h⁻¹ を処理できれば十分です。下記は菌床室 → 野菜室へ送る構成。
番号は流れ方向に並んでいます。
# | 役割 | 部材例 (国内入手容易) | 理由/メモ |
1 | 粗じんフィルタ | MERV 8 換気フィルタ (20×20×1″) 1 枚 | 胞子サイズ > 5 µm を 70 % 捕集 |
2 | 高性能+送風 | DIY Corsi-Rosenthal Box …MERV 13 フィルタ 4 枚+20″ ボックスファン | 市販 HEPA-FFU( 1/10 以下価格) 0.3 µm を 90 % 以上捕集・400 m³ h⁻¹ 処理 |
3 | 殺菌補強 | UVC-LED バー 275 nm、20 W | LED は水銀灯より 1/4 電力・長寿命。フィルタ後に設置し照射 1 s ⇒ 菌/ウイルス 99 % 不活化 |
4 | 臭気・MVOC 吸着 | 丸ダクト活性炭フィルタ φ150 mm | マッシュルームアルコールなど匂い・害虫誘引成分を除去 |
5 | 除湿&搬送 | ① 家庭用ハイブリッド除湿機 Panasonic F-YHVX120 (12 L d⁻¹) | RH 90 %→70 % へ。排熱は温室暖房に転用可② インラインダクトファン スイデン SJF φ150 |
抑えられる主なリスク
リスク | 対策 | 補足 |
胞子・カビ菌 | #1+#2 で粒子 0.3 µm まで 90 %+ 捕集、#3 で残存生菌を不活化 | HEPA 専用機並みの清浄度を安価に達成します |
細菌・ウイルス | UVC 275 nm で 99 % 不活化 | UVC-LED は即時点灯・低発熱 |
高湿度 | #5 除湿機で 25 °C/RH 70 % 付近へ | 12 L d⁻¹ 能力で 200 m³ h⁻¹ の空気を ΔRH-15 % |
臭気・MVOC | #4 活性炭 | フィルタ寿命は 3–4 か月 |
CO₂ 変動 | ブロック 1,000 個なら ≈ 2.6 kg d⁻¹ 排出。野菜室 200 m³ を 1000 ppm に保つには 1.2 kg d⁻¹ で十分—> 供給過多を防ぐため PLC or タイマーでファンを間欠運転 |
2. 設置・運用メモ
- 負圧→正圧の一方向流
- 菌床室:−3 Pa 野菜室:+3 Pa で気流逆流を防止
- ファンは野菜室側に置くと配管が常に負圧になり漏れリスク減少
- メンテ間隔
- MERV 8:月 1 回交換 MERV 13:2–3 か月 活性炭:4 か月 UVC-LED:2 年
- 環境調整を忘れずに
- CO₂ と 温湿度センサ を 環境調整装置に接続し、CO₂>1200 ppm または RH>75 % でファン強運転
- 総消費電力 = ファン 100 W + UVC-LED 20 W + 除湿 260 W ≈ 380 W ⇒ 1 日 9 kWh (¥234)
3. まとめ
- これで 胞子・病原・湿度・臭気 の主要トラブルは実用レベルで回避可能です。
- もし GMP クラス相当や医療向け野菜など無菌レベルが必要なら、ヒーター滅菌+H13 HEPA FFUをご提供させて頂けます。
各部材、機器のメーカ、推奨品 例
流れ # | 用途/取付位置 | メーカー 例 | 推奨品・型番 (主要仕様)例 |
① | 粗じんフィルタ(菌床室排気口直後) | RS Components | RS PRO プリーツパネルフィルタ G4 〈730-2766・594 × 594 × 95 mm/6 枚〉 |
②-A | 高性能フィルタ(Corsi-Rosenthal Box用) | Tex-Air Filters | 20 × 20 × 2″ MERV 13 フィルタ 4 枚キット |
②-B | 送風ファン(Box Fan) | Lasko | Box Fan 3733 20″ 3段速 |
③ | UVC 殺菌 LED バー(フィルタ後) | Cremona Tools | UVC LED Bar 24 V/270-280 nm 1 m 〈#546785〉20 W相当 |
④ | 活性炭フィルタ φ150(臭気・MVOC 吸着) | カルモア | 丸ダクト活性炭フィルタ φ150 |
⑤ | 除湿機/ヒートポンプ | Panasonic | 衣類乾燥除湿機 F-YHVX120(除湿能力 12 L 日) |
⑥ | インラインダクトファン(搬送) | スイデン | ジェットスイファン SJF-250L-1(φ250 mm,200 V) |
⑦ | CO₂ センサ(制御用) | Senseair | S8-0053 NDIR 0-2000 ppm |
⑧ | 温湿度センサ(フィードバック) | Seeed Studio | Grove-SHT35 I²C |
⑨ | 環境調整装置 | Field Tech Lab | WEBCON Mini |
- ⑨環境調整装置は別途提示
ご提供価格は、お見積させて頂きます。
是非、キノコ菌床栽培で発生するCO2を作物栽培にご活用ください。
