白キクラゲ1菌床における各成長期での最適な温度、湿度、CO2濃度、及び収穫g数、CO2排出量を表にまとめてください
はい、白キクラゲ(Shirokikurage)の菌床栽培における各成長期の最適な環境条件と、それに伴う収穫量およびCO2排出量の目安を以下の表にまとめます。
白キクラゲ菌床栽培における各成長期の環境条件、収穫量、CO2排出量(目安)
成長期温度 (°C)湿度 (%)CO2濃度 (ppm)収穫量 (g/菌床)CO2排出量 (g/菌床)備考
菌糸培養期20-2560-70500-1000-菌体増殖に伴う排出菌床全体に菌糸が蔓延する期間。密閉された環境が望ましい。
原基形成期18-2290-95800-1500-菌体呼吸による排出温度と湿度の変化により、子実体の元となる原基を形成させる期間。
子実体成長期18-2385-90800-1500150-300*子実体呼吸による排出子実体が肥大・成熟する期間。換気が重要。
収穫後---0残存菌糸の呼吸による排出2番、3番と収穫を続ける場合は、次のサイクルへ移行。
注釈:
  • CO2排出量について: 白キクラゲの栽培におけるCO2排出量は、主に菌糸や子実体の呼吸によって発生します。上記の「CO2排出量 (g/菌床)」はあくまで目安であり、以下の要因によって大きく変動します。
    • 菌床の培地組成: 培地に含まれる有機物の量が多いほど、呼吸によるCO2排出量も増加する可能性があります。
    • 菌株の特性: 菌株によって呼吸活性が異なる場合があります。
    • 栽培期間: 菌床の栽培期間が長ければ長いほど、累積のCO2排出量は増加します。
    • 換気: 換気を適切に行うことで、栽培室内のCO2濃度をコントロールし、菌体の呼吸活性にも影響を与えます。
    • 収穫量: 子実体の成長量に比例してCO2も排出されます。
  • 収穫量について: 上記の収穫量(150-300g/菌床)は、1回目の収穫(一番菌)の目安です。良好な管理を行えば、2番菌、3番菌と複数回収穫することも可能であり、その場合は総収穫量が増加します。
  • 最適な環境条件は菌株によって多少異なります。 上記は一般的な目安であり、特定の白キクラゲの菌株を使用する場合は、その菌株に合わせた微調整が必要となる場合があります。
  • CO2濃度について:
    • 菌糸培養期は比較的高めのCO2濃度でも問題ありませんが、子実体成長期にはある程度の換気を行い、CO2濃度が高くなりすぎないようにすることが重要です。CO2濃度が高すぎると子実体の成長が抑制される可能性があります。
    • 一般的な外気のCO2濃度は約400ppm前後です。
この情報が、白キクラゲ栽培のご参考になれば幸いです。
白キクラゲの菌床は密に配置しても問題ないですか?
ベストな設置間隔を教えてください
白キクラゲの菌床は、密に配置しすぎると問題が生じる可能性が高いです。
ベストな設置間隔は、菌床から発生する子実体(きのこ本体)が十分に成長できるスペースを確保することと、栽培環境の管理(換気、散水など)を効率的に行うことを両立させることです。
具体的な間隔としては、以下の点が重要になります。

菌床を密に配置するときの問題点

  1. 子実体の変形・生育不良:
      • 菌床同士が近すぎると、子実体が成長するスペースが不足し、互いにぶつかって形が崩れたり、十分に大きく育たなかったりします。
      • 光が遮られたり、空気が滞留したりすることで、生育不良になることもあります。
  1. CO2濃度の蓄積:
      • きのこの呼吸によりCO2が発生します。菌床が密集していると、CO2が滞留しやすく、局所的に高濃度になる可能性があります。高すぎるCO2濃度は、子実体の成長を阻害する要因となります。特に、子実体成長期は適切な換気が重要です。
  1. 湿度管理の難しさ:
      • 菌床が密集していると、個々の菌床への均一な散水が難しくなります。また、空気の流れが悪くなることで、特定の場所だけ湿度が高くなりすぎたり、逆に乾燥しすぎたりする可能性があります。
  1. 病害虫の発生リスク増加:
      • 通気性が悪くなると、カビなどの雑菌が繁殖しやすくなります。また、害虫が発生した場合に、菌床全体に広がりやすくなります。
  1. 作業性の悪化:
      • 収穫や状態確認、散水などの作業を行う際に、菌床が密集していると手が届きにくく、作業効率が低下します。

ベストな設置間隔の目安

一般的に、白キクラゲ(および他のキクラゲ類)の菌床栽培では、子実体が十分に成長できるスペースを確保するために、菌床と菌床の間に最低でも15cm程度の空間を設けるのが良いとされています。これは、収穫時のきのこの大きさを考慮した間隔です。
ただし、これはあくまで目安であり、以下の要素によって最適な間隔は変わってきます。
  • 菌床の大きさ: 使用する菌床のサイズが大きければ、それに合わせて間隔も広げる必要があります。
  • 子実体の発生部位: 菌床のどの面から子実体を発生させるかによっても、必要なスペースが変わります。
  • 栽培棚の構造: 棚の段数や奥行き、通路の幅なども考慮に入れる必要があります。
  • 換気設備の能力: 栽培室の換気能力が高ければ、多少密に配置してもCO2濃度の問題は軽減されますが、それでも物理的なスペースは必要です。
  • 栽培規模と収穫目標: 大規模な施設では、収穫作業の効率も考慮して配置を決定します。

具体的な設置のヒント

  • 棚を利用する: 栽培棚を利用して菌床を多段に配置することで、限られたスペースを有効活用できます。この際、上下の菌床の間隔も、子実体が触れない程度に確保します。
  • 通路を確保する: 菌床を並べる際は、収穫や管理のための十分な通路幅を確保することが重要です。
  • 空気の流れを考慮する: 栽培室全体の空気の流れを阻害しないよう、菌床の配置を工夫します。特に換気扇や送風機の近くは、空気の淀みが起きにくいように配置を調整します。
  • 発生面の方向: きのこを発生させる切り込みや穴の面が、他の菌床に邪魔されないように配置します。
最終的には、ご自身の栽培環境(栽培スペース、換気設備、管理体制など)に合わせて、菌床の生育状況を観察しながら最適な配置を見つけることが重要です。
白キクラゲ栽培に栽培用の照明は必要ですか?
白キクラゲの栽培において、栽培用の照明は非常に重要です。
きのこは植物のように光合成をしないため、「光がなくても育つ」と思われがちですが、実際には、子実体の形成(きのこ本体が発生するきっかけ)やその後の成長に光が必要とされています。特に、白キクラゲを含む多くのきのこは、特定の波長(特に青色光)に反応することが研究で示されています。

成長期における光の必要性

  1. 菌糸培養期:
      • この時期は菌糸が培地全体に蔓延する期間であり、基本的に光は必要ありません。むしろ、菌糸の生育を妨げる紫外線などは避ける必要があります。そのため、暗室で行われるのが一般的です。
  1. 原基形成期・子実体成長期:
      • この段階に入ると、光が必須となります。光を与えることで、子実体の元となる「原基」の形成が促され、その後きのこが正常に成長していきます。
      • 目安としては、100~300ルクス程度の明るさが必要とされています。これは、薄暗い部屋の明るさや、日陰の明るさに近いレベルです。直射日光は強すぎるため避けます。
      • 研究では、青色LEDが子実体の形成促進や収量増加に効果があることが報告されています。ただし、青色光だけでは作業性が悪いため、実際の栽培現場では白色LEDと組み合わせるか、白色LEDのみを使用する場合も多いです。
      • 光の照射時間は、1日あたり12~16時間程度が一般的です。

照明の種類と考慮事項

  • 蛍光灯: 一般的に用いられてきました。コストが比較的安価ですが、消費電力や寿命、発熱などの課題があります。
  • LED照明: 近年、きのこ栽培での利用が進んでいます。
    • メリット:
      • 省電力: 消費電力が低く、電気代を抑えられます。
      • 長寿命: 交換頻度が少なく、メンテナンスの手間が省けます。
      • 発熱が少ない: 栽培室内の温度管理がしやすくなります。
      • 特定の波長を選択できる: きのこの成長に最適な波長(特に青色光)をピンポイントで照射できます。
      • 防水・防塵性能: 高湿度環境下でも使用できる製品が多く、栽培環境に適しています。
    • デメリット: 初期投資は蛍光灯より高くなる傾向があります。

まとめ

白キクラゲ栽培において、菌糸培養期には光は不要ですが、原基形成期から子実体成長期にかけては、適切な光(特に弱い光、青色光が効果的)が必要です。これにより、子実体の発生を促し、品質の良いきのこを安定して収穫することができます。
家庭で栽培する場合は、部屋の明るい場所(直射日光が当たらない窓際など)に置くか、一般的な白色蛍光灯やLED照明を作業時以外も点灯させることで対応できます。商業栽培では、LED照明の導入が進んでおり、省エネと生産性向上を両立させています。
白キクラゲ栽培事業ご提案白キクラゲ栽培事業ご提案2025/6/1 14:052025/6/5 16:48