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災害に備え野菜を自給しませんか

地震、台風、洪水などの災害時に備えた食料の備蓄は必要不可欠です。
被災時は屋外での安定した野菜栽培が難しくなり、新鮮な野菜の入手が困難になります。
この問題を解決するためには、屋内で「水耕栽培」を行うことで、新鮮な野菜を継続確保できます。
水耕栽培では、まず「育苗」が必要です。各種植物の種子を播種用培地(スポンジ)に入れ、育苗箱内の養液で栽培し、ある程度の大きさまで育てます。
育苗で成長した苗は、「定植」用装置に移します。ここでは、養液循環、栽培照明、液体肥料濃度の自動調整、養液の定期的な更新などが行われ、収穫まで育てられます。

育苗

育苗は、育苗箱に播種スポンジを敷き、養液をスポンジに空気が残らないよう十分に含ませます。種子をまいて発芽させ、ベビーリーフ程度まで育てます。上記の画像は、播種スポンジに種子を1粒入れて発芽させたイメージです。
播種からベビーリーフ程の大きさに育つまでの期間は、栽培する野菜の種類によって異なりますが、おおむね2週間程度です。
下記の育苗箱のサイズは600×300×43mmで、播種スポンジを養液に浸して288株を栽培できます。
養液濃度は播種する野菜の種類によって変わりますが、EC値1.0mS/cm程度に調整して栽培します。
市販のラックに播種した育苗箱を置いて栽培用LED照明で設定時間、光を当てます。
育苗箱でベビーリーフ程に育てます。成長の悪い苗は早めに間引きしましょう。

定植

育苗箱で育てた苗を根が絡まったスポンジごと他のスポンジから切り離し定植用栽培装置に移植します。
下記の写真は市販の定植用エアロポニックス式水耕栽培装置です。
エアロポニックスの解説 ページ
下記市販栽培装置:サイズ: 42x42x154cmで45株の野菜を収穫出来ます。養液量は30Lです。
 
養液タンクに設置された循環ポンプで苗を植えた垂直パイプの最上部まで養液が送水され垂直パイプの途中の根に養液を与えながら再び養液タンクに落下し循環を繰り返します。
下記の作業を人が行うのは手間で直ぐに飽きてしまいます。
栽培コントローラにより下記を自動で実施します。
  • 養液循環:野菜に光が当たる時間帯に連続運転、設定時間運転、停止を繰り返す間欠運転を選択出来ます。
    • 養液が循環する時に空気(酸素)も供給されます。
  • 給水:下部のタンクの適正水位まで給水します。水位センサーで適正水位より下がると給水用電磁弁や給水ポンプを自動作動させて適正水位になると給水を自動停止します。
  • 排水:タンクの底に排水パイプを取付、排水電磁弁を作動させ排水します。
  • 養液更新:週に一度、曜日、時刻を指摘し養液を排水します。更新する量は任意に変更可能です。
  • 液体肥料投入:養液の肥料濃度をセンサで計測し設定値より低下すると投入装置を作動し液肥を自動投入、設定値になると供給を停止します。
  • 栽培照明制御:毎時の点灯、消灯時間を15分単位でタイマー設定出来ます。
  • 異常メール通知:インターネット回線に接続する事で各設定値(閾値)超えと復旧をメール通知します。
 
 

水耕栽培出来る野菜の種類

水耕栽培では各種野菜が栽培できます。エアロポニックスではジャガイモ等の根菜類も栽培出来ます。根菜類を栽培する場合は上記の定植栽培装置とは異なりますのでご相談ください。
栽培野菜例: 下記はオランダ産フンボルトというフリルレタスです。

野菜の長期保存方法

弊社開発の固形培地に水耕栽培した野菜の根を固める事で野菜は成長を続けます。長期間新鮮野菜を味わえます。

一日に必要な野菜摂取量

日本の国民健康・栄養調査に基づくと一日の一人あたりの消費量は280gから300gで、ベスト摂取量は350gとの事です。

収穫までの期間・経費

上記エアロポニックス式水耕栽培装置での試算
収穫期間
各家庭、オフィスなどに上記育苗箱を1箱(288苗)、定植用栽培装置1式(45株)を設置したとして
  • 育苗箱での種子からベビーリーフまでの栽培期間:約2週間
  • 定植用エアロポニックス式水耕栽培装置での収穫までの期間:約2週間
  • 収穫野菜の1株の重さ:約250gとして計算すると
上記装置での総栽培量:250g/株×45株=11,250gを収穫出来ます。
11,250g÷350g/人=約32人分 の野菜を栽培する事ができます。
育苗箱で日々、ベビーリーフを栽培しておく事で2週間後に
4人家族では32人分÷4人=8日間 の必要な野菜が確保出来る計算です。
日々、定植用栽培装置でも栽培しておくと被災当日から8日分、家族に必要な野菜を収穫出来る計算です。
収穫経費
収穫ワンサイクルの必要部材と経費
育苗過程:
1:播種スポンジ:1シート約420円
2:栽培野菜種子:1粒数円から数十円 品種、コート加工品 等により変わります。
3:液体肥料代:
定植過程:
1:水道料金: 0.5円/L × 60L=30円 タンク容量30L+野菜吸収量+自然蒸発量
2:液体肥料代:
3:電気代: 上記のエアロポニックス栽培装置を使用したとして
(栽培照明:30Wの照明を4本で10時間で約32.4円)、(循環ポンプ:10時間の運転で約1.3円です)
2週間で収穫出来たとして32.4+1.3 ≒ 35円✕14日=490 円の計算です。
災害による停電を考え太陽光発電装置の設置をお勧めします。

育苗センター運用の勧め

災害時は輸送機関が停止する可能性があります。被災者が歩いて行ける各町の公民館などの公共施設に様々な野菜を育苗箱で栽培しておき、定植栽培装置を設置した家庭・オフィスに育苗箱を支給すると短期間で収穫する事が出来ます。
市販の1本のラック格段に育苗箱を数箱設置する事で省スペース(例えば1畳ほど)でも大量の苗を栽培する事が出来ます。
各地域に応じた需要野菜の提供が可能。
町内会ボランティアでの栽培、企業の”障がい者雇用”としても貢献できます。
下記はイメージ図です。