
熱帯魚水槽見守りシステム
事例:熱帯魚水槽見守り装置
水槽の水温、pH変化の観察でAQUA愛好家に何を御提供出来るか?
弊社では熱帯魚水槽の水質をpH、水温を監視する事で水槽水質の判断目安となる” AQUA MIRAI”を開発しました。飼育者はパソコン、スマートフォン、タブレットのブラウザで同じネットワークに接続した“AQUA MIRAI”のWeb UIにログインしpH/水温値をリアルタイムに観察する事が出来ます。
加えて本装置にはLED照明、CO2投入装置を24時間ON/OFFタイマー制御機能を持たせました。
下記は”AQUA MIRAI”のメインWeb UI画面(ダッシュボード)です。

熱帯魚:カラシン系、オトシンクルス、コリドラス・パンダ 植物:ヤマサキカズラ
pH計測:現在値、上限警報値、下限設定値を表示
水槽環境:pH各値と水温各値を表示
タイマー状態:手動・自動モードの切換操作、タイマーのON、OFF状態を示します。
上下限設定値は飼育生体、水草等の種類により0.01の細かなステップ値で設定出来、各設定値を超えた時、復帰した時共にメールで飼育者に通知します。
AQUA MIRAIがAQUA愛好家の方々にpH、水温の変化を観察する事で何を御提供出来るか?
を試験水槽を使い分析してみました。
水質の変化が即時判るように下記の小型水槽を試験用としてセットしました。
水槽内径 幅15cm 奥行 15cm 深さ20cm
フィルターに関して
水質の大きな要素であるpHを安定させるには水槽内の水を循環し物理濾過や、フィルターにバクテリアを増殖させ排泄物等を分解するパワーフィルターが必要です。試験水槽内に多くの成分を溶解させないためソイルではなくバクテリアの繁殖数を増加したく大磯砂を深さ5cm程度敷きました。
セットアップ当初は水槽内部設置型の小型パワーフィルター3台を水槽内に設置しました。
カルキ抜きなどの薬品の混入を防ぐため汲み置きした水道水を1/3程度換水しましたがpH値が換水直後より徐々に下がってしまいました。

2020/10/05
16:00前に換水しpH7.0程度まで上昇するも徐々に下降しはじめました。

2020/10/09
4日間でpH値は最下限5.2程度に下がってしまいます。
下記は水温の変化

この期間、外気温はまだ高いためレーシー(冷水装置)により25℃に設定しました。
レーシーのサーモがON/OFFして水温が変化している事が観察できます。
小型水槽故に水量不足でpHが維持出来ないと考え週に2回程、汲み置きした水道水(pH約7.0)に1/3程度換水するもpHは下降し生体は数日で徐々に死滅しました。
3台もの小型フィルターを水槽内に入れてもフィルターの能力が不足していると判断し内部式フィルター3台を外し外部式フィルター1台に交換しました。
2020/10/12 13:30分頃に外部式フィルターに交換しpH変化を観察、pH7.8程度にまで上昇したため原因を考えると戻り水で酸素を送りたくシャワーパイプより水槽内に泡を発生させているが流量が強く溶存酸素量が増加したと考え、バブルを絞り流量を下げた結果pHは7.2程度に下がりました。

2020/10/22
その後pHは7.0程度に安定し生体🐟も元気なので水草を含めレイアウトを実施し
9:00からCO2を3秒に1滴、バブルカウンターを調整し投与を開始、pH6.6程度にまで下がったためCO2投与を5秒に1滴に下げました。
pHを7.3程度にしたく戻り水のシャワー流量を少し増し溶存酸素量を調整。

外部フィルターの交換時にレーシー(冷水装置)を外したので水温は室内温度で変化し約27℃を観測

2020/10/25
外気が下がり水温が最低約22℃を観測

当日10/25のpH変化を観る
水温低下とpHの関係を観たく確認するとpHは水温低下により上昇する事が判ります。
pHは水温低下で最大7.5に上昇し、その後CO2の自動投与が9:00から始まり徐々にpH低下、18:00でCO2投与がタイマーにより停止したため徐々にpHは上昇しています。試験水槽はCO2投与開始、停止の約15分でpHが変化。

特記:カラシン系の魚は水温が25℃以下の方が、色揚げが美しく感じられました。
pH計測は水温により計測値を補正する必要がありますが”AQUA MIRAI”では水温変化でのpH値を自動補正する機能を持たせています。
2020/10/27(本書作成当日)10:00頃時点
10/26に更に戻り水の流量を調整しpHの変化を観察するも安定し生体も元気であるため継続し観察を続けています。

現在は室内温度をファンヒータで調整。

総論
“AQUA MIRAI”によりpHと水温だけで水槽の状態が判るのか?と当初フィルターシステムの構築が出来ていない状態では半信半疑でしたが”AQUA MIRAI”はAQUA愛好家に下記を提供させて頂けます。
■フィルターシステムが水槽立ち上げを含めベストに安定作動しているかをpHで確認可能
水槽維持には最低限pHが安定しバクテリアの維持をするフィルターシステムの設置は最低必要条件
■生体・バクテリア生存のため水温を監視出来ます。
■水草育成のため投与が必要なCO2の過剰投与をpH変化で監視可能
■フィルターの排出口位置の調整での気泡の発生、ポンプ等によるエアーレーションでの溶存酸素量もpHで監視出来る。
■更に異常、復帰をメールで通知する。
”AQUA MIRAI”はAQUA愛好家にとって必要不可欠な存在になると実証試験で確信しました。
*現時点での観察結果
・水温が低下するとpHは上昇する。
・溶存酸素量が上昇するとpHは上昇する。
・CO2投与でpHは下がる。
バクテリア生息数とpHの関連も観察中です。
専門家にアドバイス頂いた
”照明時間・濾材・餌・水草・魚の種類や数”によるpH変化につても調査したく考えます。
以上はpH、水温との関係です。
しかしpHを監視する事だけでは酸性物質、アルカリ性物質が同等量であればph7.0となります。
すなわち水槽に含まれる
酸性物質量1=アルカリ性物質量1 =ph7.0
酸性物質量100=アルカリ性物質量100 =ph7.0 となります。
pHだけを観測していても各種酸、アルカリ性物質の含有量は把握する事は出来ません。
専門家に下記もアドバイス頂きました。
酸性になってアルカリ性の物をいれて中性(ph7.0)
にしたところで硬度は上がるので魚のヒレがとけたり水草が枯れたり固いコケが生えたりします。
硝酸塩か総硬度データがないと、何が原因でphが変動したのか判断できません
■総硬度(GH)
水の中に溶けているカルシウムCa、マグネシウムMgの総量を表します。
単位 はdH (ドイツ硬度) あるいはppm(アメリカ硬度)で表します。
■硝酸塩
1個の窒素原子と3個の酸素原子からなる硝酸イオン NO3− を持つ塩です。
■TDS (Total Diossoleved Solids)
総硬度(水の中に溶けているカルシウムCa、マグネシウムMgの総量)+他のミネラルや有機酸、アンモニアや亜硝酸、硝酸塩も含みます。
上記からTDSで水への各成分の含有物量を観測する事が可能と考えました。TDSは電気伝導率で測定するので同様の測定方法で精度の高いECセンサーをAQUA MIRAIに追加しました。
2020/10/29 EC値 最終0.451を観測しています。

2020/11/3 14:11 EC値 0.349を観測しています。
観察をして5日程度ですが各物質の含有量は下がっています。濾過システム、バクテリアの効果はあると考えています。

*水道水では限りなく0です。
下記は弊社熱帯魚愛好家の調査結果です。
アクアリウムデバイスの追加計測項目におきましてTwitterのアンケート結果が出ましたのでご報告致します。
※次に有れば有効なセンサーは何でしょうか?
KH センサー: 20.5%
GK センサー:7.2%
TDS センサー: 41%
その他 NO2 NO3 cl2 他:31.3%
83票 · 最終結果
以上となります、やはりとは思いましたがTDSセンサーが人気です。
*各計測値に疑問を持ったらすべき事
センサーの先端部は繊細です。生体の様子に異変がないのに突然、各センサーが異常な観測をした場合は各プローブの状態を水槽から抜いて調べ、水道水をコップに入れ優しく洗浄してください。歯ブラシなどで擦らないようお願いします。
本レポート作成中にpH値の上昇を確認しプローブ先端を調べると水草が絡まっていました。
先端にゴミなどが付かない円柱スポンジを先端に取り付けました。
Web UI Design
“AQUA MIRAI”を少しでも多くのAQUA愛好家に日々、判りやすく使って頂けるように下記のような素晴らしいUIデザインを制作頂きました。これを”AQUA MIRAI”のWeb UIトップページにし楽しいAQUA Lifeを提供させて頂きます。

試験水槽

左より
CO2投入電磁弁付きボンベ
AQUA MIRAI
給排水ホース
水槽内 水中ポンプ(給水、戻り水シャワーパイプ)
*外部フィルター:エーハイム2004 濾過タンクは机下に設置
写真の試験水槽のように約2.7Lの小型水槽は水槽内の美観から機器をシンプルにしたいですが水質維持のためには、しっかりと安定したフィルターシステムの設置は必須、夏季、冬季は水温調整装置も必要です。
コロナウィルスの影響で宅内での生活の楽しみ、在宅勤務中の癒やしなどでAQUA愛好家は益々増加すると考えます。”AQUA MIRAI”を愛好家に愛用して頂くべく他の水質検査機能を付加していきます。
多くの人々に癒やしを、提供するには小型水槽は水量も少なく各種メンテナンスも容易で拡販しやすいと考えます。全国のAQUAショップと小型水槽の水景を損なう事のないAQUAシステムとし完成しセット販売、レンタルするサービスも”AQUA MIRAI”がある事で可能と考えます。
養殖水槽環境「見える自動化」
