
水槽の植物に土は必要?

水槽内の植物で、根を通じて栄養を吸収する種類(いわゆる根から栄養を摂取する植物、または「ルートフィーダー」)は、土壌が必要です。これには、地面を覆う植物、節(ノード)を介して増殖する植物、および球根を持つ水槽植物が含まれます。
水槽植物は水槽を美しくするだけでなく、水質を改善する重要な役割を果たします。たとえば、二酸化炭素を除去し、酸素を供給することで水中の環境を向上させたり、魚に隠れ家を提供したりします。しかし、庭で育てる植物と同様に、水槽内の植物も適切なケアが必要です。ただし、その必要条件は地上植物とは多少異なります。

土壌のような基質について
水槽植物が土壌を必要とするかどうかは、育てている水草の種類に依存します。一部の水槽植物は葉を通じて栄養を吸収できるため、土壌のような基質を必要としませんが、多くの水槽植物、特に球根から成長し、根系を通じて栄養を吸収する植物は、生存のために土壌が必要です。
土壌はまた、水槽植物をしっかりと固定する役割を果たし、植物を直立した状態に保つ頑丈なアンカーとして機能します。
土壌が必要な水槽植物
根を通じて栄養を吸収する植物は「ルートフィーダー」として知られています。これらの植物は基質を必要とするため、水槽の土壌にしっかりと固定する必要があります。これにより、植物は健やかに成長し、繁茂することができます。
1. 地面を覆う植物
地面を覆う植物(例:バリスネリアなど)は、「ランナー」と呼ばれる新芽を送り出し、それが別の植物へと成長して新しい根を持ちます。これは、陸上のランニング竹に似ています。地面を覆う植物が成熟すると、それらを切り離して水槽内の別の場所に移動させることができ、そこで新しい完全機能の植物として根付きます。

地面を覆う植物(Ground Cover Plants)
これらの水槽植物は背が高く成長するため、水槽の後方に配置するのが最適です。
2. 節増殖型植物(Node Propagators)
節増殖型植物には、ミリオフィラム(Myriophyllum)、ルドウィジア(Ludwigia)、**アコルス(Acorus)**などがあります。これらの植物は、長く糸のような枝を持ち、水槽の水面で浮いていることがよく見られます。

節増殖型植物(Node Propagators)
これらの植物の枝は簡単に折れてしまうことがありますが、折れた枝を集めて重りで固定し、再び基質(土壌)にしっかりと植え直すことが可能です。この方法は、植物を増殖させるためにも非常に効果的で、枝が根を張り新しい植物として成長します。
球根植物(Bulbs)
球根を持つ水槽植物(例:マダガスカルレース)は、陸上植物に非常に似ています。到着時には球根が乾燥していて死んでいるように見えることがありますが、適切な条件下で植えるとすぐに芽を出し、魅力的な植物へと成長します。

球根植物(Bulbs)
球根植物の唯一の欠点は、特定の成長シーズンがあることです。これらの植物は葉を伸ばし、やがて花を咲かせます。花が咲いたのを見たら、植物の衰退に備えてください。この段階では植物が死んでしまったように見えるかもしれませんが、実際には休眠状態に入り、より大きく、より良く成長するためのエネルギーを蓄えています。
休眠期に入った球根植物は、土壌から球根を取り出し、乾燥した涼しく暗い場所で少なくとも3か月間保存することが重要です。この間に、植物が複数の球根を生成している場合は、それらを分けておきましょう。3か月後、以前と同じ方法で球根を水槽に植え戻すことができます。
お手入れが少なくて済む水槽植物の選択肢
以下の植物は、手間をあまりかけずに育てられる最適な選択肢です:
• ジャバモス (Java Moss)
• ジャバファーン (Java Ferns)
• ウォーターレタス (Water Lettuce)
• ウォーターウィード(アナカリス) (Elodea)
• ホーンワート (Hornwort)
• マリモ (Marimo Moss Balls)
• アヌビアス (Anubias)
• カボンバ (Cabomba)

カボンバ
土壌系基質の利点
1. 栄養が豊富: 土壌系基質は必要な栄養素が豊富で、水槽内の水草が成長するための理想的な環境を提供します。
2. 水質の改善: 水槽内の水のpHバランスを中和することで、水質を安定させ改善します。
3. 植物の成長を促進: 土壌系基質は、カーペットプラントなどの根を吸収する植物の成長を促します。
4. 有益なバクテリアの繁殖を支援: 土壌系基質は有益なバクテリアの成長を促進し、藻類の酸素生産を増加させる役割を果たします。
5. 栄養素の供給: 水槽内の水に栄養素を放出し、植物だけでなく魚などの他の水生生物にも恩恵を与えます。
土壌系基質の欠点
土壌系基質は豊富な微量および主要栄養素を持つため非常に有益ですが、以下のような欠点もあります:
1. 水の濁り: 土壌系基質を最初に使用すると、水槽内の水が濁る可能性があります。
2. 栄養の漏出: 時間が経つにつれて栄養が過剰に漏れ出し、バランスが崩れたり藻類の発生を引き起こす可能性があります。
3. 寿命の制限: 栄養が枯渇すると、基質に栄養を補充するために「ルートタブ」(肥料のようなもの)を使用したり、基質を交換する必要があります。
4. コストが高い: 土壌系基質は他の基質と比べて費用が高いことが多いです。

ルートタブとは?
ルートタブは、水槽植物の肥料問題を解決する便利なアイテムです!水槽の土壌に追加すると、カリウム、鉄、炭素など、水草が生存に必要とする栄養素を素早く補充します。一度栄養素が土壌に吸収されると、植物は根系を通じてそれらを利用します。
水草に必要な土壌の量はどのくらい?
土壌の深さは、水槽の大きさによって異なります。ただし、一般的な目安としては以下の通りです:
• 淡水水槽の場合: 基質の深さを 2~5cm にする。
• 植栽水槽の場合: 基質の深さを 5~7.5cm にする。
水草に必要な土壌量の計算方法
水草に必要な土壌量を計算するには、まず水槽のサイズをセンチメートル(cm)単位で測定します。その後、以下の計算式を使用します:
長さ × 幅 × 深さ(基質の深さ) / 1000 = 必要な土壌の量(リットル単位)
水槽内での土壌や基質の配置方法
水槽に土壌や基質を追加する際は、平坦に配置するのではなく、傾斜をつけて配置するのがおすすめです。土壌は栄養分が豊富なため、水草は砂や砂利よりも土壌で良く育ちます。ただし、装飾目的で砂や砂利を追加することも可能です。また、砂利や砂を追加することで、水槽内の水が濁るのを防ぐ効果もあります。

傾斜配置
水槽の中で基質を配置する際、傾斜をつけて配置することが重要です。これは、植物の成長と栄養吸収を促進するだけでなく、水槽内の美観を高めるためにも役立ちます。
水草に適した土壌の種類
水草は通常の庭用土壌では育ちません。水草や水生環境専用に設計された特別な土壌が必要です。これらの土壌は地元の水槽専門店(LFS)やオンラインで購入することができます。
推奨される2つの基質は以下の通りです:
• CaribSea Eco-Complete
• ADA Aqua Soil Amazonia
水槽用土壌を選ぶ際のポイント
水槽用土壌を選ぶ際には、植物の栄養ニーズを考慮することが重要です。各植物には異なる栄養要求があり、土壌ごとに含まれる成分が異なります。自分の水草がどのような栄養素を必要としているか分からない場合は、地元の水槽専門店(LFS)に相談すると良いでしょう。
水草が水槽にもたらすメリット
水草は淡水魚にとって自然に近い環境を提供するだけでなく、水槽内の水質を維持する役割も果たします。水草が成長し繁栄するためには栄養素が必要であり、多くの種類では土壌が必須です。
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