B.Rでキノコ菌糸を培養しませんか?
「菌糸培養用バイオリアクター(Mycelium Bioreactor)」によるキノコ菌糸の培養法

下記は昔ながらの菌糸培養イメージ 💦💦💦

菌糸培養用バイオリアクターでキノコ菌糸は培養出来るか?
結論
キノコ菌糸は光合成をしないため、
- 光 → 不要(暗所)
- CO₂供給 → 不要
- 酸素供給 → 必要
- 栄養源 → 必要 となります。
「光バイオリアクター(PBR)」ではなく「菌糸培養用バイオリアクター(Mycelium Bioreactor)」
で培養します。
培養できるキノコ
液体培養に向く種類
- シイタケ
- エノキ
- ヒラタケ
- マイタケ
- ヤマブシタケ
- マツタケ菌
- 白いキクラゲ
- 白キクラゲ など
高速に増殖します。
環境調整要素
- 温度制御
- pH計測
- DO計測
- 撹拌
- 滅菌
- エアレーション
光源は不要。
システムイメージ
滅菌培地
↓
PBRタンク
↓
エア供給(O₂)
↓
菌糸増殖
↓
菌糸回収
培養速度
例:ヒラタケ
初期接種
↓
3~5日
↓
菌糸量10~20倍
↓
回収
液体培養では非常に速く増殖します。
白いキクラゲ の菌糸培養もできます。
菌糸増殖工程
S0~S2相当
- 温度 24~27℃
- pH 5.5~6.5
- DO 30%以上
- 暗所 で液体培養
菌糸量を増やした後、菌床へ接種すると培養期間短縮が期待できます。
応用
Tiny WEBPLC / Atlas Scientific 構成を使うと、MycoNova Bioreactor として
- pH
- DO
- ORP
- 温度
- EC
を監視しながらAI菌糸培養 が可能になります。
- 白いキクラゲ
- 白キクラゲ
- 松太郎
- マツタケ菌 等の事業構想と非常に相性が良いです。
キノコ栽培で出るCO2の活用
「栽培室から発生するCO₂を微細藻類PBRへ供給し、そのPBR設備を培養終了後は菌糸増殖用バイオリアクターとして兼用する」という構成では
1台の設備で
- 微細藻類培養
- キノコ菌糸培養
の両方を行えるため、設備投資効率が高くなります。
「菌糸用の液体培地」
PBRを菌糸培養用に使う場合、養液は植物用液体肥料ではなく「菌糸用の液体培地」として設計します。
基本構成
水+糖+窒素源+ミネラル+微量ビタミン
菌糸は光合成しないため、藻類用のような硝酸塩中心の肥料より、ブドウ糖・麦芽エキス・酵母エキス・ペプトン系が向きます。ヒラタケ等ではグルコース、酵母エキス、ペプトンが菌糸成長に有効とされ、沈降液体培養ではグルコース5%、酵母エキス0.6%が有効だった報告もあります。
標準培地:まず試験する基本配合
1Lあたり
成分 配合量 目的
精製水またはRO水 1,000mL ベース
グルコース 20g 炭素源
麦芽エキス 10g 糖・アミノ酸・ビタミン
酵母エキス 3g ビタミンB群・窒素源
ペプトン 2g アミノ酸・窒素源
KH₂PO₄ 1.0g リン酸・pH緩衝
MgSO₄・7H₂O 0.5g Mg・硫黄
CaCl₂ 0.1g Ca補給
消泡剤 0.1〜0.3mL 泡対策
pH:5.8〜6.2
滅菌:121℃・15〜20分
培養温度:24〜27℃
DO:30%以上
撹拌:50〜150rpm
20Lあたり
20L槽なら単純に20倍です。
成分 配合量
水 20L
グルコース 400g
麦芽エキス 200g
酵母エキス 60g
ペプトン 40g
KH₂PO₄ 20g
MgSO₄・7H₂O 10g
CaCl₂ 2g
消泡剤 2〜6mL
菌糸量重視の高増殖培地
ヒラタケ、キクラゲ、ヤマブシタケ、エノキなどの菌糸増殖向けです。
1Lあたり
成分 配合量
水 1,000mL
グルコース 30g
酵母エキス 6g
ペプトン 4g
KH₂PO₄ 1.0g
MgSO₄・7H₂O 0.5g
ビタミンB1 1〜2mg
消泡剤 0.1〜0.3mL
文献でも、グルコース10g/L、酵母エキス3g/L、KH₂PO₄ 1g/L、MgSO₄・7H₂O 0.5g/Lのような基礎培地が使われています。
低コスト量産培地
商用化を考えるなら、こちらが重要です。
1Lあたり
成分 配合量
水 1,000mL
糖蜜または黒糖液 20〜40g
大豆ペプトンまたはエンドウ豆タンパク加水分解物 5〜8g
酵母エキス 3〜6g
KH₂PO₄ 1.0g
MgSO₄・7H₂O 0.5g
消泡剤 0.1〜0.3mL
糖蜜+酵母エキス系は菌糸成長に使いやすく、炭素源:窒素源の比率はおおむね10:1が目安になります。
白いキクラゲ向け推奨配合
キクラゲ系は強すぎる高糖培地より、やや穏やかな培地から始めるのが良いです。
1Lあたり
成分 配合量
RO水 1,000mL
グルコース 20〜30g
麦芽エキス 5〜10g
酵母エキス 3〜6g
ペプトン 2g
KH₂PO₄ 1.0g
MgSO₄・7H₂O 0.5g
CaCO₃ 0.5〜1.0g
消泡剤 0.1〜0.3mL
pH:6.0〜6.5
キクラゲ類では25℃前後、pH6.5〜7付近、150rpm条件で菌糸乾燥重量が高かった報告があります。
水の条件
水道水でも可能ですが、安定量産なら下記が良いです。
項目 推奨
水 RO水、精製水、軟水
pH 調整前 6〜7
EC 低めが良い
塩素 除去必須
硬度 低〜中硬度
鉄・マンガン 少ない方が良い
塩素入り水道水をそのまま使うのは避ける方が無難です。
Tiny WEBPLC によるPBR制御目標

項目 推奨値
温度 24〜27℃
pH 5.8〜6.5
DO 30%以上
ORP 目安 −50〜+150mV
撹拌 50〜150rpm
エア供給 0.2〜0.5 vvm
培養期間 3〜7日
接種量 5〜10%
WEBCON構成なら、pH・DO・温度・ORP・エア流量・撹拌を監視制御する設計が相性良いです。添付資料にも、EC・pH・温湿度・CO₂・O₂・ORP・Color等のセンサ連携構想が示されています。
最初に試すべき配合
下記が一番バランスが良い。
20L試験用
成分 配合量
RO水 20L
グルコース 500g
麦芽エキス 160g
酵母エキス 80g
ペプトン 40g
KH₂PO₄ 20g
MgSO₄・7H₂O 10g
CaCO₃ 10g
消泡剤 3mL
pH 6.2に調整 → 滅菌 → 冷却 → 種菌5〜10%接種が良いです。
