福知山シン・キクラゲ栽培環境
容積≒144㎥
環境調整編
シン・キクラゲ(白いキクラゲ改良品)
本資料は”守秘義務契約締結文書扱い”とし外部に提示しないでください。
初めに:栽培従事者の方に注意して頂きたい事
キノコ菌は植物のように光合成はできず、徹底した従属栄養生物です。
菌床内の炭水化物やリグニン・セルロースなどを分解し、呼吸(有酸素呼吸・嫌気呼吸) によりエネルギーを得ます。これにより大量のCO2が発生します。
栽培室内のCO2濃度は自動調整していますが停電、機器故障によって警告灯が点灯したら栽培室から速やかに室外に出てください。

人体に影響を及ぼすCO2濃度:
人体に影響を及ぼす二酸化炭素(CO2)濃度は次の通りです:
- 400~1,000 ppm:通常の室内空間のCO2濃度。通常は健康上の問題は生じない。
- 1,000~2,000 ppm:不快感や集中力の低下が生じることがある。
- 2,000~5,000 ppm:頭痛、眠気、集中力の低下、不快感、増加した心拍数や軽度の吐き気を引き起こす可能性がある。
- 5,000 ppm以上:これは労働安全衛生基準での作業環境としての許容限界濃度です。これを超えると重度の健康障害のリスクが高まる。
- 40,000 ppm以上:生命に危険を及ぼす可能性があり、数分以内に意識を失うことがある。
我々が日々生活する外気のCO2濃度は概ね420ppmです。
栽培環境自動調整装置について
白いキクラゲ収穫までを栽培熟練者が環境調整されてきました。栽培従事者のノウハウ等や今後の研究により各成長期(ステージ)において風量・CO2濃度・温湿度等の最適値を取得し設定でき自動調整する事で高品質で安定した収穫量を確保できます。
環境調整装置「MycoNova」は、これらの適正値を任意に変更出来、各栽培ステージに応じた設定値に自動調整します。
「MycoNova」は、あらゆる生命の環境調整用に独自開発した「WEBCON」と「キノコ環境調整プログラム」を搭載した製品です。
加え各設定値を超えた(逸脱した)場合はメールで登録メールアドレスに通知します。
また現在の測定値はパソコン・タブレット・スマホ等のブラウザで容易に確認出来、グラフ・ログも表示しています。指定した年月日を入力すると当日のグラフ・ログを確認できます。
シン・キクラゲの成長ステージの説明
下記、菌床を栽培室に設置しビニールを破り加湿をし栽培を開始したステージはS3 原基誘導期です。
S3 原基誘導期からS7 老化(胞子飛散前まで)に適した環境を提供する必要があります。
- S0 接種:袋詰め直後
• S1 菌糸伸長(培養):袋内が白化しホスト菌糸も定着
• S2 熟成(菌糸締め):白化ほぼ完了、呼吸熱とCO₂放出がピーク後に減速
• S3 原基誘導:新鮮空気・光・散水条件へ切替 • S4 ピン(原基)形成:透明〜乳白の小粒(1–2 mm→3–5 mm) • S5 幼菌体:ゼラチン質ひだが成長、塊径2–5 cm • S6 成熟(収穫適期):ひだ厚く弾力・色は均一乳白、日増重が鈍化 • S7 老化(胞子飛散前):縁が薄く艶落ち、色ムラ、弾力低下
✅ 白いキクラゲ(S3〜S7)成長ステージ別「最適環境条件」一覧表
下記は論文、栽培熟練者等の情報と独自分析した理論値です。
| ステージ | CO₂濃度 (ppm) | 温度 (℃) | 湿度 (RH%) | 風(給排気) | 照度 (lx) | 注意点(現場で最重要) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| S3 原基誘導新鮮空気・光・加湿開始 | 900〜1500(最適1200 ppm前後) | 23〜25 | 93〜97 | 強めの新鮮空気(ACH=5〜8)CO₂急低下させる | 50〜200 lx | ・袋を開口しすぎない(乾燥リスク)・加湿はミスト状、結露を避ける・照明は弱く、常夜灯レベル |
| S4 ピン形成1〜5mmの透明〜乳白の粒 | 900〜1300 | 22〜24 | 93〜97 | 安定した微風(ACH=5〜7)直風NG | 100〜300 lx | ・ピンに直接風を当てない・CO₂は上げすぎるとピン消失・乾燥するとピンが茶色化し壊滅 |
| S5 幼菌体ゼラチン質ひだ形成 2〜5cm | 800〜1200 | 22〜24 | 92〜95 | 中風量(ACH=5〜8)循環ファンは弱く | 200〜500 lx | ・光が足りないと白化ムラ(黄ばみ)・湿度過多=雑菌・軟腐リスク・CO₂が高すぎると変形(波打ち) |
| S6 成熟(収穫期)ひだ厚い・日増重鈍化 | 700〜1000 | 21〜23 | 90〜94 | やや強めの換気(ACH=6〜10)室内を軽く均一循環 | 300〜800 lx | ・過湿=肉厚低下・腐敗の原因・高CO₂=ひだの透明化・厚み不足・収穫直前はCO₂をやや低めに |
| S7 老化縁が薄く艶落ち、胞子飛散前 | 600〜900 | 20〜23 | 85〜92 | 強換気(ACH=8〜12)胞子抜け用の排気強化 | 300〜800 lx(維持) | ・胞子飛散が始まると品質低下・乾燥しやすいので加湿と風平衡・出荷判定は“縁の艶”で判断 |

上記はAIに描かしたイメージですが栽培従事者様から日々の成長写真を送付頂きたく宜しくお願い致します。
環境調整機器
対象栽培室容積:W:6.4m×D:9m×H:2.5m=144㎥
吸気用機器:有圧換気扇 Panasonic「「FY-40MSU3」×1台
排気用機器:シロッコファン Panasonic「FY-19CG1」×4台
加湿装置:ウエットマスター 霧太郎 KNC3000 ×2台
温度調整:エアコンによる設定温度に自動調整



下記 S3 原基誘導期の環境計測画面

突っ込んだ話:強すぎる、弱すぎる、こんなもん って説明されても?!どれくらい?
↓下記は開発側の備忘と人の感触を記載したものです↓
風量
強めの新鮮空気(ACH=5〜8)って?
👉 S3〜S5で欲しい“強めの新鮮空気(ACH5〜8)”は、FY-19CG1を1台だけ動かせば作れます。
(他3台は停止 or 予備/ブースト用)
2台以上動かすと ACHが10回/hを超えるので、常用は 「1台運転」を基準 にして、CO₂が高い時だけもう1台を短時間ONにする、という考え方が良いです。
3. 吸気用 FY-40MSU3 の合わせ方
FY-40MSU3 定格:3020 m³/h → ACH ≒ 21回/h とかなり強いので、そのまま回すと 吸気>排気 になり、正圧+過換気になります。
おすすめ制御
- 排気:FY-19CG1 1台 弱 連続運転(ACH ≒ 5.5)
- 吸気:FY-40MSU3 を デューティ制御
- 例:25%デューティ(1分ON / 3分OFF)
- 実効風量 ≒ 3020 × 0.25 = 約755 m³/h
→ 排気 791 m³/h に対して少し少ないくらい
→ 室内はわずかに負圧になり、菌床室から外に空気が漏れる方向になる
※物理ダンパーで風量絞れるなら
FY-40MSU3は常時運転+ダンパー絞りでもOKです(おそらく半分近く絞るイメージ)。
4. ステージ別の運転イメージ(ざっくり)
S3〜S4(原基誘導〜ピン形成)
- 排気:1台 弱 連続(ACH ≒ 5.5)
- 吸気:FY-40MSU3 25%デューティ(実効 ≒ 5回/h程度)
- CO₂が1200 ppmを超えたら、短時間だけ
- 排気:同じ1台を強に(6.5回/h)
- または2台目 弱を3〜5分ON(プチ換気ブースト)
S5(幼菌体)
- 基本はS4と同じ
- 室温やCO₂が高めなら、
- 排気1台 強固定(ACH ≒ 6.5)
- 吸気のデューティを少し上げる(30〜35%)
S6〜S7(成熟〜老化)
- 排気:1台 強(6.5)+CO₂高い時だけ2台目弱を短時間ON → 実効 8〜10回/h
- 吸気:FY-40MSU3デューティ 30〜40%
- 胞子飛散が気になるS7で一気換気モード(数分だけ2〜3台同時ON)も可。
5. CO₂センサーを使った自動段階制御(イメージ)
- CO₂ < 1000 ppm →排気:1台 弱、吸気:25% デューティ
- CO₂ 1000〜1500 ppm →排気:1台 強、吸気:30% デューティ
- CO₂ 1500 ppm以上 or 室温高め →
排気:1台 強+2台目 弱を5分ON
吸気:40% デューティ(CO₂が下がったら元に戻す)
ポイント
- 風量は「常時ON台数」+「ON時間の割合」で調整する
- 実際のACHはCO₂の落ち方で微調整するのが一番確実です
まとめ(人に説明する用)
- ACH=5〜8 =「この部屋の空気が7〜12分おきに丸ごと入れ替わるくらいの風量」
- 本設備だと
- 排気ファンFY-19CG1を1台だけ弱運転すれば、その“強めの新鮮空気”がちょうど実現できる
- 残り3台はCO₂が上がった時のブースト用
- 吸気FY-40MSU3はデューティ制御やダンパーで風量を1/3〜1/4に絞って、排気より少し少ない程度にするのがベスト
✅ 安定した微風(ACH=5〜7)を人に説明すると?
■ 要する風量のレンジ
室容積:144 m³
| ACH | 必要換気量 | 説明 |
|---|---|---|
| 5 回/h | 720 m³/h | 12分で空気が1回入れ替わる |
| 6 回/h | 864 m³/h | 10分で1回入れ替わる |
| 7 回/h | 1008 m³/h | 8.5分で1回入れ替わる |
👉 720〜1000 m³/h 程度が「安定した微風(ACH=5〜7)」に相当
🗣文章にすると…
「この部屋の空気が、8〜12分で丸ごと入れ替わるくらいの優しい風」
- 風が“流れているのは感じるが、肌に直接当たらない”レベル
- ミストが漂うが、飛ばされない
- 原基や幼菌体が乾かない
- CO₂がゆっくりと入れ替わる
- 菌床棚の“層”間に空気が穏やかに循環する
➡ キノコ栽培の「最も安定する換気状態」がACH5〜7です。
🔧 FY-40MSU3 ×1+FY-19CG1 ×4の場合の ACH5〜7 の作り方
■ FY-19CG1(排気)1台だけ弱運転で実現できる
FY-19CG1(弱):791 m³/h
→ ACH = 791 / 144 = 5.49 回/h
= ちょうど“安定した微風”の中心値
▼ 結論:
- 排気:FY-19CG1 1台 弱 連続運転
- 吸気:FY-40MSU3 を25〜30%デューティで合わせる
これで ACH=5〜7 が自然に作れる。
🌀 制御の具体例(現場マニュアル用)
■ S3(原基誘導)〜S5(幼菌体)
| 機器 | 推奨動作 |
|---|---|
| 排気:FY-19CG1 | 1台 弱 連続運転(ACH≈5.5) |
| 吸気:FY-40MSU3 | 25%デューティ(1分ON/3分OFF) |
| CO₂が1200〜1500ppm | 一時的に「弱→強」へ5分、または2台目弱ON5分 |
安定した微風(ACH=5〜7)とは?
数値
- ACH=5 → 720 ㎥/h(12分で1回入れ替わり)
- ACH=6 → 864 ㎥/h(10分で1回入れ替わり)
- ACH=7 → 1008 ㎥/h(8.5分で1回入れ替わり)
人に説明できる表現
「部屋の空気が8〜12分で丸ごと入れ替わるくらいの穏やかな風」
現場の特徴
- ミストが漂うが乱れない
- 原基・ピン・幼菌体が乾かない
- 直風が当たらない
- CO₂濃度の変動が小さく、安定成長しやすい
あなたの設備での作り方(144㎥)
- 排気:FY-19CG1 を1台「弱」で連続 → ACH ≈ 5.5
- 吸気:FY-40MSU3 を25〜30%のデューティで合わせる
✅ 中風量(ACH=5〜8)とは?
■ 必要換気量(144㎥の場合)
| ACH | 必要風量 (m³/h) | 説明 |
|---|---|---|
| 5 | 720 | 12分で1回入れ替わる |
| 6 | 864 | 10分で1回入れ替わる |
| 7 | 1008 | 約8.5分で入れ替わる |
| 8 | 1152 | 約7.5分で入れ替わる |
👉 中風量とは 720〜1150 m³/h 程度の換気です。
🗣人に説明すると
「この部屋の空気が 7〜12 分でまるごと入れ替わる、程よくしっかりした換気」
- 微風より少し強く、空気の流れを“感じる”
- ただし菌床や幼菌体には直接風が当たらない
- CO₂を安定的に押し下げる
- 発生期〜幼菌体期の標準的な換気量
➡ 「強すぎない換気・弱すぎない換気」=全体が最も安定しやすい帯域。
🔧本設備での「中風量(ACH5〜8)」の作り方
使用機器:
- 排気:Panasonic FY-19CG1(4台)
- 弱:791 m³/h
- 強:931 m³/h
- 吸気:Panasonic FY-40MSU3(1台)
- 定格:3020 m³/h(強すぎるためデューティ制御)
▼ 中風量の“ど真ん中”を作る方法
① 排気:FY-19CG1 → 1台 弱 連続運転
- 791 m³/h → ACH=5.49(微風〜中風量の中心)
そこに、
② 吸気:FY-40MSU3 → 25〜35%デューティ
- 実効風量 755〜1060 m³/h
(FY-19CG1 の風量より少し小さく調整し 微負圧維持)
👉 これで ACH=5〜7 が自然に作れる
👉 吸気デューティを 35〜40%にすると ACH=8付近まで到達
🔁 どのステージが「中風量」を使うのか?
| ステージ | 推奨風量 | 理由 |
|---|---|---|
| S3 原基誘導 | 中風量(ACH5〜8) | CO₂を少し早く下げたいが乾燥はNG |
| S4 ピン形成 | 微風〜中風量(ACH5〜7) | 直風NG、CO₂過剰抑制 |
| S5 幼菌体 | 中風量(ACH6〜8) | 蒸れ防止+CO₂排出 |
| S6 成熟 | やや強め(ACH7〜10) | 仕上げ段階でCO₂を積極的に低下 |
中風量(ACH=5〜8)とは?
- ACH=5 → 720 m³/h(12分で空気入れ替え)
- ACH=6 → 864 m³/h(10分)
- ACH=7 → 1008 m³/h(8.5分)
- ACH=8 → 1152 m³/h(7.5分)
人への説明
「部屋の空気が7〜12分で1回入れ替わる、程よくしっかりした換気」
現場での特徴
- 空気の流れを少し感じる程度の換気
- CO₂を安定して押し下げる
- 乾燥しにくいが蒸れにくい
- 発生期〜幼菌体期に最も使いやすい換気条件
144㎥(本栽培室)での作り方
- 排気:FY-19CG1 1台 弱(791 m³/h → ACH=5.49)
- 吸気:FY-40MSU3 を25〜35%デューティ(微負圧に調整) → 実効 ACH=5〜8 を安定的に作れる
✅ やや強めの換気(ACH=6〜10)とは?
■ 必要換気量(容積144 m³の栽培室)
| ACH | 必要風量 Q (m³/h) | 空気が1回入れ替わる時間 |
|---|---|---|
| 6 | 864 m³/h | 約 10分 |
| 7 | 1008 m³/h | 約 8.5分 |
| 8 | 1152 m³/h | 約 7.5分 |
| 9 | 1296 m³/h | 約 6.7分 |
| 10 | 1440 m³/h | 約 6分 |
👉 「やや強めの換気(ACH=6〜10)」=864〜1440 m³/h 程度の換気量 に相当します。
🗣 説明できる文章にすると…
「この部屋の空気が、6〜10分おきに丸ごと入れ替わる、少ししっかりした換気」
- 微風よりはっきり空気が動いている
- でも“ビュービュー”ではなく、キクラゲに直接風が当たらない程度
- 蒸れやすい時期・成熟期に向けて CO₂や熱をしっかり逃がしたいときの換気レベル
🔧 本設備での「やや強めの換気」の作り方
前提の設備:
- 栽培室容積:144 m³
- 排気:Panasonic FY-19CG1 ×4台
- 弱:791 m³/h
- 強:931 m³/h(1台あたり)
- 吸気:Panasonic FY-40MSU3 ×1台
- 定格:約 3020 m³/h
▼ 排気側(FY-19CG1)で見ると…
- 1台 弱:791 m³/h → ACH ≈ 5.5(微風〜中風量)
- 1台 強:931 m³/h → ACH ≈ 6.5 ← “やや強め”の入口
- 2台 弱:1582 m³/h → ACH ≈ 11.0(やや強めを超え、強換気ゾーン)
- 2台 強:1862 m³/h → ACH ≈ 12.9(一気換気レベル)
なので 連続運転の「やや強め」は基本的に「FY-19CG1を1台 強運転」にするのがベース になります。
🎛 具体的な運転イメージ
■ ベース:やや強めの換気(ACH ≈ 6.5)
- 排気:FY-19CG1 → 1台 強で連続運転
→ 931 m³/h ≒ ACH 6.5
- 吸気:FY-40MSU3 を 30〜40% デューティ
- 30%:約 906 m³/h
- 35%:約 1057 m³/h
- 40%:約 1208 m³/h
👉 吸気風量は「排気より少し小さいくらい」が理想なので、
30〜35% デューティが使いやすいゾーンです。
(40%まで上げる場合は、ダンパーを少し絞って“微負圧”を維持)
■ “やや強め+時々ブースト”の作り方(成熟〜老化に最適)
目的:
- 普段は ACH ≈ 6.5 で安定換気
- CO₂が上がったとき/湿度過多のときだけ 一段強くする
制御案:
- ベース
- 排気:FY-19CG1 1台 強 連続(ACH ≈ 6.5)
- 吸気:FY-40MSU3 30〜35% デューティ
- CO₂が目標+150ppm を超えたら
- 2台目の FY-19CG1 を 弱 で 5〜10分だけON
- その間の実効排気 ≈ (931 + 791) ≒ 1722 m³/h
- ACH ≈ 12(“一時的な強換気”)
- CO₂が目標近くまで下がったら 2台目 OFF → 再び ACH ≈ 6.5 に戻る
👉 こうすると、
普段は「やや強め」、必要なときだけ「強換気」でサッとCO₂と熱を抜く
というメリハリ制御になります。
やや強めの換気(ACH=6〜10)
数値(144㎥の部屋の場合)
- ACH=6 → 864 m³/h(10分で1回入れ替わる)
- ACH=7 → 1008 m³/h(8.5分)
- ACH=8 → 1152 m³/h(7.5分)
- ACH=9 → 1296 m³/h(6.7分)
- ACH=10 → 1440 m³/h(6分)
説明するなら
「部屋の空気が6〜10分おきに丸ごと入れ替わる、少ししっかりした換気」
現場での特徴
- 微風より明らかに換気は強いが、ビュービューではない
- CO₂と熱をしっかり逃がせる
- 蒸れ防止や成熟期の仕上げに向いた換気レベル
144㎥+FY-19CG1×4+FY-40MSU3×1 での作り方
- ベース:
- 排気:FY-19CG1 を 1台 強 で連続運転(931 m³/h → ACH ≈ 6.5)
- 吸気:FY-40MSU3 を 30〜35%デューティ で運転(排気より少し小さい風量)
- ブースト(CO₂が高いとき):
- 2台目 FY-19CG1 を 弱で5〜10分ON
- 一時的に ACH ≈ 12 程度まで上げて、一気にCO₂と熱を排出
✅ 強換気(ACH=8〜12)とは?
■ 必要換気量(144 m³ の部屋)
| ACH | 必要風量 Q (m³/h) | 1回の空気入れ替え時間 |
|---|---|---|
| 8 | 1152 m³/h | 約 7.5分 |
| 9 | 1296 m³/h | 約 6.7分 |
| 10 | 1440 m³/h | 約 6分 |
| 11 | 1584 m³/h | 約 5.4分 |
| 12 | 1728 m³/h | 約 5分 |
👉 強換気=1150〜1750 m³/h 程度の換気量に相当します。
🗣 人に説明できる文章
「この部屋の空気が5〜7分で丸ごと入れ替わる、はっきり強い換気」
- 空気の流れを体で感じる
- 但しキクラゲに“直風を当てない”よう注意
- 室温上昇時・CO₂急上昇時の緊急換気に最適
- 成熟期〜老化期の“仕上げ”や“胞子抜け”に向く
🔧 本設備での「強換気(ACH=8〜12)」の作り方
設備構成:
- 排気:Panasonic FY-19CG1 ×4
- 弱:791 m³/h
- 強:931 m³/h
- 吸気:Panasonic FY-40MSU3 ×1
- 定格3020 m³/h(強すぎるためデューティ制御)
▼ 排気(FY-19CG1)を使用した ACH 計算
| 動作 | 総排気量 | ACH |
|---|---|---|
| 1台 強 | 931 m³/h | 6.5(やや強換気の上限) |
| 2台 弱 | 791×2 = 1582 m³/h | 11.0 ← 強換気ゾーン中央 |
| 2台 強 | 931×2 = 1862 m³/h | 12.9(強換気〜一気換気) |
| 3台 弱 | 791×3 = 2373 m³/h | 16.5(一気換気帯に入る) |
👉 結論:
“強換気(ACH8〜12)”を最も作りやすいのは FY-19CG1 の「2台弱」または「2台強」運転
🎛 強換気の運転パターン(推奨)
▼ 標準強換気(ACH≈11)
- 排気:FY-19CG1 を 2台 弱 にする(1582 m³/h)
- 吸気:FY-40MSU3 を 40〜50%デューティ
→ 微負圧を維持しつつ適切に新鮮空気導入
▼ 強い強換気(ACH≈13)
- 排気:FY-19CG1 を 2台 強(1862 m³/h)
- 吸気:FY-40MSU3 を 50〜60%デューティ
※吸気のほうが強すぎると“正圧”になり、胞子・雑菌が室外へ漏れ出す
→ 必ず排気>吸気
📌 どのステージで「強換気」を使うのか?
| ステージ | 推奨風量帯 | 理由 |
|---|---|---|
| S3(原基誘導) | △(必要時のみ) | CO₂急低下が必要なときだけ短時間 |
| S4(ピン形成) | ×(基本使わない) | ピンが乾燥・変形しやすい |
| S5(幼菌体) | △(湿度過多・CO₂高い時のみ) | 蒸れ防止で短時間 |
| S6(成熟) | ◎(最適) | 仕上げでCO₂をしっかり下げたい |
| S7(老化) | ◎(胞子抜け換気に最適) | 室内の胞子・熱・臭気を一気に排出 |
強換気(ACH=8〜12)
数値(144㎥)
- ACH=8 → 1152 m³/h(7.5分で空気入れ替え)
- ACH=9 → 1296 m³/h(6.7分)
- ACH=10 → 1440 m³/h(6分)
- ACH=11 → 1584 m³/h(5.4分)
- ACH=12 → 1728 m³/h(5分)
人に説明
「部屋の空気が5〜7分で丸ごと入れ替わる、はっきり強い換気」
現場の特徴
- 空気の流れを体で感じる換気量
- CO₂や熱の排出が早い
- 成熟〜老化期の仕上げや胞子抜けに最適
144㎥+FY-19CG1×4+FY-40MSU3×1 での作り方
- 標準強換気(ACH≈11):
- 排気:FY-19CG1 → 2台 弱
- 吸気:FY-40MSU3 → 40〜50%デューティ
- 強めの強換気(ACH≈13):
- 排気:FY-19CG1 → 2台 強
- 吸気:FY-40MSU3 → 50〜60%デューティ
※必ず「排気>吸気」に調整して微負圧を維持。
*白いキクラゲ栽培室(144㎥)
⭐換気レベル 6段階 早見表
| レベル名 | ACH | 必要風量(m³/h) | 空気の入れ替え時間 | 人への説明 |
|---|---|---|---|---|
| ① 微風(Very Light Airflow) | 5〜7 | 720〜1000 | 8〜12分 | 空気は流れているがミストは乱れない優しい風 |
| ② 中風量(Moderate Airflow) | 5〜8 | 720〜1150 | 7.5〜12分 | 程よくしっかりした換気。発生期の標準 |
| ③ やや強めの換気(Relatively Strong) | 6〜10 | 860〜1440 | 6〜10分 | はっきり空気の流れを感じるが直風なし |
| ④ 強換気(Strong) | 8〜12 | 1150〜1750 | 5〜7.5分 | CO₂・熱を速く抜く。成熟後期や胞子抜け前 |
| ⑤ 一気換気(Power Ventilation) | 12〜15 | 1750〜2200 | 4〜5分 | 部屋の空気が一気に総入れ替えされるレベル |
| ⑥ 胞子抜け換気(Spore Purge) | 15〜20 | 2200〜3000 | 3〜4.5分 | 胞子・臭気・湿気を一気排出する最強換気 |
【各レベルの使用シーン】
| ステージ | 適正レベル |
|---|---|
| S3 原基誘導 | ②中風量(必要時④強換気の短時間ブースト) |
| S4 ピン形成 | ①微風〜②中風量(直風NG) |
| S5 幼菌体 | ②中風量〜③やや強め |
| S6 成熟 | ③やや強め〜④強換気 |
| S7 老化(胞子飛散前) | ④強換気〜⑤〜⑥胞子抜け換気 |
【本設備での具体的な制御設定】
使用機器:
- 排気:Panasonic FY-19CG1 ×4 台
弱=791 m³/h、強=931 m³/h
- 吸気:Panasonic FY-40MSU3 ×1 台
定格=3020 m³/h(デューティ制御)
① 微風(ACH 5〜7)
- 排気:FY-19CG1 → 1台 弱
(791 m³/h → ACH=5.5)
- 吸気:FY-40MSU3 → 25〜30% デューティ
② 中風量(ACH 5〜8)
- 排気:FY-19CG1 → 1台 弱
- 吸気:FY-40MSU3 → 30〜35% デューティ
→ 排気>吸気で軽い微負圧
③ やや強めの換気(ACH 6〜10)
- 排気:FY-19CG1 → 1台 強
(931 m³/h → ACH=6.5)
- 吸気:FY-40MSU3 → 30〜40% デューティ
④ 強換気(ACH 8〜12)
- 排気:FY-19CG1 → 2台 弱
(1582 m³/h → ACH=11.0)
- 吸気:FY-40MSU3 → 40〜50% デューティ
⑤ 一気換気(ACH 12〜15)
- 排気:FY-19CG1 → 2台 強
(1862 m³/h → ACH=12.9)
- 吸気:FY-40MSU3 → 50〜60% デューティ
⑥ 胞子抜け換気(ACH 15〜20)
- 排気:FY-19CG1 → 3台 弱 or 3台強
(2373〜2793 m³/h → 強力換気)
- 吸気:FY-40MSU3 → 60〜70% デューティ→ 生産終了前に 15〜30分行うと効果的
